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IQからEQへ、そしてPQ教育へ [幼児教育]

 私の知人の娘さんが数年前(=大学1年生の時)に書いた論文です。
 EQについて知ることは大切かも知れませんのでご紹介します。


IQからEQへ、そしてPQ教育へ

1.問題の関心
 EQ(Emotional quotient)とは心の知能指数と呼ばれ、一般的に自己認知力・自己統制力・共感性・コミュニケーション力・柔軟性・楽観性の6つの観点から測られます。EQの値は一生の間を通じて不変なものではなく、環境・遺伝の双方の影響により、上がりもすれば下がりもすることが知られています。
 今年3月、入学式を二週間後に控えて、家族全員でネット上のEQテストを実施してみました(http://www.unnmei.com/EQ.html)。私の父親は、少々変わり者の部分があり、普通の人が考えつかないような奇抜なアイデアをひらめく能力がとても高いようです。実際にテストしてみると、父のEQ指数が高かったこともあり、EQに強い関心を持っていました。
 そんな時、ネットサーフィンをしていたら、『ビッテ式家庭保育園で育った子どもたちは軒並みIQ(Intelligence quotient)が高いのですが、EQも非常に高いのが大きな特徴です。』という記載を見つけました。
 EQ教育を幼児教育に積極的に導入すれば、感性豊かな子どもたちを育て、なおかつ将来のIQ向上にも寄与するのではないかと考え、その可能性について調べてみることにしました。

2.本論
 近年、全米各地の学校や企業では、EQを高める方法が模索され始めています。日本でもEQに注目し、新入社員の採用や昇進の基準に取り入れようとしている企業が出始めています。すなわち、自己認知能力に欠け、自制心に欠け、根気がなく、共感することができず、協調性に欠ける人を採用することは、企業にとってマイナス面が多いことが認識されだしたのです。
 ビッテ式家庭保育園で育ったEQの高い子どもたちは、物の貸し借りにしても、相手が「貸して」と言う前に「これ、貸してあげる」と言え、誰とでも(見知らぬ人でも)すぐに打ち解けることができるようです。ビッテ式家庭保育園に関しては、「IQ200天才児は母親しだい!」に詳しく書かれています。
 EQ教育は、「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」という名前で実践されていることが多いです(http://www.crn.or.jp/LIBRARY/RONTEN/CONTR_03.html)。EQ教育について調べるときには、「SST」をキーワードとして調べることをお勧めします。
 脳細胞は90%以上が、8歳までに成長を遂げ終えるそうです。ですから、8歳までにどのように子どもに関わったかということが、子どもの成長に決定的な影響を及ぼします。そしてその影響は、思春期に現れるそうです。思春期挫折症候群と呼ばれていますが、自己中心的、責任転嫁、無気力などが見られ、行動障害としてルーズな生活、親への反抗、暴力、登校拒否、非行、自殺がなどが現れます。思春期挫折症候群は、PQ(Prefrontal quotient)の障害に端を発しているとも指摘されています(http://www35.tok2.com/home/mezasukai/kouenroku-1.html)。
 前頭連合野という、脳のコントロールセンターと考えられている部分があります。
 前頭連合野は、自分の脳をコントロールすると同時に、対象(相手)の脳を操作する(心を読む)働きもしています。
キャプチャ.JPG
        (http://www.sokuno.co.jp/brain/hq/index.htmlより引用)

 PQ とは、将来へむけた夢や希望、人格や性格、理性、主体性、独創性、創造性、積極性、幸福感など人間にとって大切な8つの要素、いわば人間らしさを総括するもので、「前頭連合野の知性(=前頭前知性)」と呼ばれています
 澤口俊之北海道大学医学部脳科学専攻教授は、著書(文春新書『幼児教育と脳』)の中で、「8歳までが勝負!」(澤口俊之,1999,pp.185-188)、「いま、IQやEQではなくPQを豊に育む教育が求められている」(澤口俊之,1999,pp.208-213)という論旨の意見を述べています。すなわち、知識教育のIQ教育と 感情の教育であるEQ教育の基礎となるべき教育がPQ教育というわけです。
 具体的なPQ教育の手法としては、手軽に毎日出来るようにアレンジした「ベビーマッサージ」、自国の文化が心のふるさとになるように「昔ながらの手遊び歌や童謡」、未来を生きる子供達に親しんで欲しい他国文化「マザーグースや海外手遊び歌」、子どもの発達に合わせて「お薦め知育玩具」や「手作り玩具」などが採り入れられています。すなわち、乳幼児にとって筋力の発達、運動技能や巧緻性の習得といったスキルアップは、すべて楽しい遊びの中から培われるべきものであるというのがPQ教育の基本理念なのです。
 3~6歳の脳活動が一番活発な時期に、PQ教育をすることはとても重要ですが、PQを育てる前に、赤ちゃんのころに脳幹をきたえ、PQ教育をする土台を作る必要があることが指摘されています。脳幹とは、生後まもなくから発達を始める、脳内ホルモン(ドーパミン、セロトニンなど)を出す神経細胞です。脳幹を育てるには、赤ちゃんの頃(胎児~3歳くらいまで)のお母さんとのふれあいが重要とされています。つまり言葉や肌のぬくもり、においなどで五感を働かせるのです。
 最近では、脳トレ遊びを幼稚園児・保育園児に対して導入する市町村も出現してきています。岐阜県多治見市では、市内すべての市立幼稚園・保育園・小中学校で「脳トレ」教育を採用し一年余りが経過しました。多治見市教育研究所は、「脳の前頭前野を活性化させるだけでなく学習の習慣づけができ、思考力全般も向上する」と主張しています。
 多治見市教育委員会が平成20年度に、試験的に小学校一校で脳トレを実施し、その結果、試験校の児童の知能指数(IQ)が半年で5~10ポイント程度向上したため全校での取り組みに拡大した経緯ですが、客観的なデータはそれだけで、継続して調査も実施しておらず脳科学的見地からどれほどの裏付けがあるのかは不明です。
 保育の場では今、大人主導の「させる」保育、「頑張らせて褒める」保育が主流になり、ひいては保護者に「見せる保育」さえ稀ではないという現状があるようです。このような動向が生まれたのは、子どもが成長の過程で身につけるものは、みな大人が主導して「させて」「教え込んだ」結果だと考えられるようになり、そしてこの発達の段階を早く高く登ることが子どもの将来の幸せになるという思い込みが生まれたからだそうです。その結果、大人の育てる営みに含まれる本来の二面的なバランスが崩れ、養護的対応が極めて弱くなったまま、大人主導の強い「させる」教育的働きかけが子どもに振り向けられ、その結果、子どもの心の育ちに大きな歪みをもたらすことになったと、中央大学心理学部の鯨岡 峻(たかし)先生は指摘しています。
 ドイツの教育学者であるシュタイナーは、7歳までの子どもは意志を育てることが大切であると説いています。子供が、自分で自分をしっかりとらえ、一番深い内部の欲求から、自覚的に行動すること、これを「自由」と捉えて、その「自由への教育」をおこなうのがシュタイナー教育で、「させる」幼児教育とは対角線上にある取り組みです。
 日本ではシュタイナー教育を批判する本は、皆無に等しいのですが、ドイツでは、普通の教科はさておいて、園芸・工作・芸術などを重視するシュタイナー教育を批判的にとらえた本がいろいろ出ている(http://www.tkumagai.de/Steiner%201.htm)状況のようです。
 「させる」幼児教育、「自由」な幼児教育、それぞれの良い面、良くない面をいろいろな方向から勉強し、個々の子どもにあった教育方針を追求していく姿勢が大切なのではと思われた。
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JanJosaup

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by JanJosaup (2020-03-30 09:14) 

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