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認知症 「希望」の冊子【2017年6月30日付朝日新聞・三重版】 [認知症の早期発見を希望に繋げるために]

認知症 「希望」の冊子

 認知症と診断された人に渡すオリジナルの冊子を、津市榊原町にある榊原白鳳病院の笠間睦医師(58)が作った。「診断されて絶望した」という当事者の切実な声を受けて、「希望」につながる情報を盛り込んだ。認知症の進行があまり目立たない症例もあることや、当事者が体験を記した本などを紹介している。
 認知症-希望の冊子(写真のみ).jpg

津の笠間睦医師が製作
 「早期発見が『早期絶望』にしかならない」
 6月初め。伊勢市であったフォーラムで、認知症の一つ「レビー小体型認知症」と診断された樋口直美さん(54)が訴えた。認知症の人に対して「理解力がなく、何をするか分からない」といった偏見があると指摘。「(当事者に)意思や思いがあることを、誰も思ってくれない」。当事者の絶望感をこう表現した。
 笠間さんは「もの忘れ外来」の認知症専門医として、3年前から、原則すべての希望者に認知症の診断結果を告知してきた。症状が進んで「最期の医療」が求められるとき、点滴をするのか、胃に穴を開けて栄養剤を入れる「胃ろう」を選ぶのかなど、様々な選択肢がある。本人の意思を尊重するには事前に告知して意思を確かめておく必要がある、と考えるからだ。
 一方で、樋口さんをはじめ全国の当事者十数人とフェイスブックを通じて交流する中で「告知されても希望を持てなかった」という声を聞いた。こうして、笠間さんは昨年10月、オリジナルの冊子を作った
 冊子はB5判。認知症に関する研究成果や講演の内容などを載せた。研究に基づき、アルツハイマー病について「きちんと治療とケアをすれば2年程度は進行はあまり目立たない」とする内容も紹介している。
 朝日新聞のサイト(旧アスパラクラブ)に執筆した内容も紹介。米国の高齢の修道女678人を死後に病理解剖した研究では、脳にアルツハイマー病の病理所見がある人のうち4分の1は、生前に認知機能に問題がなかった、という。
 冊子は最初、医学的な内容を中心に数ページだった。これまでに外来患者約30人に手渡したところ「もっと情報がほしい」と言われ、22回改訂して19ページに増えた。「医学的な診断だけではケアしきれない『心』の部分をサポートしたい」と笠間さん。自身の「So-netブログ」で公開している。問い合わせは榊原白鳳病院(059・252・2300)。 (高木文子)
 【2017年6月30日付朝日新聞・三重版】

So-netブログ
 http://akasama.blog.so-net.ne.jp/

2016年5月23日付朝日新聞フォーラム面記事
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/587799344723082

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