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VR認知症―『おはよう日本(NHK総合)』(2017.2.1放送), NHK WORLD NewsRoomTOKYO(February 14, 2017) [認知症]

『おはよう日本(NHK総合)』(2017.2.1)にて、VR認知症が報道!!

 AM7時からの『おはよう日本(NHK総合)』の放送です。
 https://youtu.be/DmlmTPPOK2o 

 VR体験会nagoya.JPG 
 今回の報道がレビー小体型認知症(レビー小体病)への理解が深まる啓発のきっかけになれば良いなと強く願っております!!

 おはよう日本で放送した特集「バーチャルリアリティーで認知症の症状を体験」は、News UpというWeb特集にも掲載されております。
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170202/k10010861871000.html

 今回の全国放送は、2017.1.18に放送されました『NHK-東海 NEWS・ほっとイブニング』(https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/videos/vb.100004790640447/706552282847787/?type=2&theater)に後日取材した映像を加えて再構成されたものです。
 『NHK-東海 NEWS・ほっとイブニング』のYuutube公開も2月1日より開始しました。
 https://youtu.be/DxU9-uAcQ8Q

 東海初の『VR認知症講演会』(in 名古屋「グループホーム正木のいえ」, 2017.1.9)の際に私が撮影した映像もどうぞご覧下さい。
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/videos/vb.100004790640447/706559129513769/?type=2&theater
 FB「友達限定公開」としておりましたが、2017.2.1に全国放送として報道されましたので、「公開」設定に変更しました。
 Yuutubeにても公開致しました。
 https://youtu.be/GCHz5nuHu9E

 「VR認知症」レビー小体病 幻視版 のための配布資料
 https://note.mu/hiiguchinaomi/n/n4461c1a1d047
 【藤本健一:DLBのパーキンソン症状に対する治療とケア. CLINICIAN No.648 513-518 2016】.JPG
出典:
 【藤本健一:DLBのパーキンソン症状に対する治療とケア. CLINICIAN No.648 513-518 2016】
 DLBとDLBD.jpg
 樋口直美さんが「VR認知症・レビー小体病 幻視版 のための配布資料」について解説され、ご自身の「幻視」についても語りました。
 直美さんが解説.JPG 

 来月公開の映画「話す犬を、放す」の熊谷まどか監督もスピーチされています。
 熊谷まどかさん.JPG
 映画の予告編はこちら↓
 http://hanasuinu.com/

 熊谷まどか監督と樋口直美さんの対談記事はこちら↓
 https://info.ninchisho.net/archives/15695

ウェブ版・VR認知症(NHK-東海 NEWS WEB・2017.1.18放送)─認知症をVRで体験
 認知症について理解を深めてもらおうと、いま、VR=バーチャルリアリティの技術を使って、認知症の人の世界を疑似体験する取り組みが始まっています。
 名古屋放送局の松岡康子記者が取材しました。
 ウェブサイトは↓
 http://www.nhk.or.jp/nagoya/websp/20170118_virtualreality/

 私は、『NHK-東海 NEWS・ほっとイブニング(2017.1.18)』(https://youtu.be/DxU9-uAcQ8Q)におきまして、「認知症のタイプによっては『幻視』の症状が出ることを知らない人が多いことから、バーチャルリアリティによる体験は、症状への理解や正しい診断につながると期待しています。」とコメントしておりますが、その詳細は以下をご参照下さい。
1)幻視関係のデータを整理しました。
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/710356272467388
2)レビー小体型認知症の最大の問題は、医師による誤診が多いということです。【医学博士・横浜市立大学医学部名誉教授 小阪憲司氏】
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/710432309126451

※NHK WORLD NewsRoomTOKYO
 「VR認知症」がNHK WORLD NewsRoomTOKYO(Mon.-Fri. 20:00-20:45 JST)の国際映像として報道されました(February 14, 2017)。
 http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/newsroomtokyo/aired/20170214.html
 http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/newsroomtokyo/
You Tube
 https://youtu.be/K4RdEa3NR9M

P.S.
 当日の懇親会の様子なども再度アップ致します。
 懇親会.JPG
 丸山社長、えっちゃん、いろいろご苦労様でした。
 丸山社長.JPG
 懇親会-丹野さんと恵津子さん.JPG  
 ケータリングのお料理美味しかったです。
 一升瓶サイズの赤ワイン、初めて見ました。私一人で半分以上飲んでしまいました。
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/701730946663254
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/706844582818557
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/701731386663210
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/701715129998169
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/701717183331297
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/701700576666291
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/701736876662661
 最後はオレンジで締めます!
 https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/705537732949242

P.S. 私がインタビューの中で伝えたかったこと
 バーチャルリアリティ(VR)のレビー小体型認知症版を通して、認知症に対する世間の誤解や偏見を解ければという思いがあって下河原さんはこの作品を樋口直美さんらとともに作成されたと聞いております。
 ついつい話題性が先行しがちではありますが、認知症専門医の立場からしますと、もう少し違った面で期待を寄せております。
 それが何かと言いますと、DLB(レビー小体型認知症)においては、レム睡眠行動異常症(RBD)、うつ状態、幻覚妄想状態は、記憶障害よりしばしば先行して出現します。初老期に幻覚妄想状態を初発したおよそ1/4~1/3(=40歳以上で幻覚妄想状態を初発した例の検討ではその26.1%が、65歳以上での初発例では36.4%がレビー小体病を有していた)が後にレビー小体病と診断されます(https://www.facebook.com/atsushi.kasama.9/posts/698895886946760)。
 「幻覚・妄想」という言葉を聞きますと、統合失調症を思い浮かべる方が多く、患者さんは偏見を受けることをおそれて幻視が見えることを隠す傾向にあります。
 実際に医療機関を受診しても、レビー小体型認知症に精通していない医師ですと、「統合失調症」とか「うつ病」となどと誤診されてしまい、向精神薬が投与されることになります。
 しかしですね、実はあまり知られていないのですが、DLBの約半数(53.3%:8/15)においてAP(Antipsychotics:抗精神病薬)に対する薬剤過敏があり、薬の副作用で病状が悪化してしまうケースが多々あるのです
 こうした弊害が起こり得ることを、バーチャルリアリティ(VR)のレビー小体型認知症版を通して啓発するきっかけになってくれればと願っております。

◎関連サイト
DLBのパーキンソン症状に対する治療とケア
 http://www.eisai.jp/medical/clinician/vol63/no648/pdf/sp10_648.pdf
 DLBは幅が広い。ADに近いcommon formではパーキンソニズムを認めず、ドネペジルを10㎎ まで増量しても問題はない。その一方pure form やPDDに近い症例では、用量を増やすと振戦や動作緩慢が出現する例がある。ドネペジルの2件の二重盲検比較試験と2件の非盲検延長試験の解析で、錐体外路症状の悪化は認められなかった。この報告では解析対象281例中PD治療薬併用は57例(20.3%)で、common form が多かった。pure form やPDDでは別の結果となる可能性がある。表③に2件の二重盲検比較試験のまとめを示す。PD治療薬併用群では非併用群と比べてパーキンソン症状の有害事象発現が多く、開始時のHoehn &Yahr 重症度がⅢ度の症例は0~Ⅱ度の症例と比べて、5㎎ と10㎎ でパーキンソン症状の有害事象発現が多かった。DLBは幅が広いこと、薬の効果も副作用も出やすいことを考慮して、症例毎に適切な用量を選択する必要がある。
 (自治医大ステーション・ブレインクリニック)
 【藤本健一:DLBのパーキンソン症状に対する治療とケア. CLINICIAN No.648 513-518 2016】


 下河原さん、後片付けを終えてから懇親会に合流されました。
 準備、講演、取材、後片付けとお疲れ様でした。
 懇親会-下河原さん.JPG

臨床医にとって認知症治療で大切なことは何か(3)―抗認知症薬を処方する際の3つの悩み [認知症]

第85回 臨床医にとって認知症治療で大切なことは何か(3)―抗認知症薬を処方する際の3つの悩み【八千代病院神経内科・川畑信也部長】
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kawabata/201701/549654.html

 認知症の治療を行う際、ガイドラインは必ずしも実臨床では役に立たないこと、臨床試験と現場の治療では異なることが多いことを述べてきました。今回は、実臨床では抗認知症薬の薬効評価が難しいこと、個々の事例によって抗認知症薬の効果は異なること、薬剤の効能・効果に記載された用量に必ずしもこだわる必要はないかもしれないことの3点について考えてみたいと思います。

【1】抗認知症薬の薬効を実臨床で評価できるのか
 いずれの抗認知症薬も認知症症状の進行抑制効果を期待して使用されているのだと思いますが、先生方が実際に処方されて「この患者さんは認知症が改善したな」と感じる事例はどれほどあるでしょうか。
 多くの場合、抗認知症薬を処方しても臨床像が良い方向に変化した事例を経験することは少ないのではありませんか。逆に多くの事例では抗認知症薬を服薬していても認知症症状は進行・悪化していく場合が多いと思います。だからこそ、「抗認知症薬は副作用ばかりで役に立たない」「害ばかりで処方する価値はない」と極論を述べる医師が出てくるのだろうと思います。
 抗認知症薬を評価する方法は、服薬前後での臨床像を観察するか、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)に代表される神経心理検査を施行し得点の推移をみるかの2つです。アルツハイマー型認知症は、診断が正しければ必ず進行・悪化していく性質を持つ疾患であるという視点で見ると、抗認知症薬を服薬していてもある程度の期間を経ると認知症症状は進行・悪化していきます。ですから抗認知症薬の薬効を評価することは、実際には困難な場合が多いのです。
 一方、神経心理検査を使用した場合はどうでしょうか。図1は、ドネペジルを服薬しているアルツハイマー型認知症146人でのADAS-J cog.下位項目について1年後の変化を示したものです。ドネペジル服薬開始前に比して有意に改善していた下位項目は、呼称と構成、単語再認の3つです。しかし、最も改善している単語再認でも変化幅は0.5点にも届きません。実臨床で個々の患者さんにADAS-J cog.を施行した場合、評価は1、2点などであり、小数点以下の点数は出てきません。したがって実臨床では0.5点の改善効果を実感できないことになります。抗認知症薬の肩を持つ立場で述べると、現在の抗認知症薬はいずれも根治的な薬剤ではないことから、これくらいの効力しか発揮できないともいえます。さらに認知機能というある意味であやふやな領域を客観的に評価するためには、数字で結果を出せる神経心理検査あるいは生活機能や介護者負担を評価するしか方法がないのです。
 図1.JPG

 私は、常に述べていますがコリンエステラーゼ阻害薬は患者さんの行動や感情、言動を活発化させる働き、メマンチンはそれらを安定化させるあるいはやや抑制する働きをもつ薬剤と位置づけています。現象面では記憶や見当識に目立った改善を期待できないかもしれませんが、アルツハイマー型認知症に特徴的な自発性の低下や意欲の減退から日常生活で何もしなくなった患者さんがコリンエステラーゼ阻害薬の服薬で元気が出てきた、外出することが増えてきたなど、行動や感情などの変化がみられるだけでも抗認知症薬の役割はあると考えています。

【2】個々の患者さんで抗認知症薬の効果は異なる
 実臨床で目立った薬効を実感しにくい抗認知症薬ですが、患者さんによっては認知症症状が何年経てもあまり進行・悪化していないなと感じる場合があります。一方、規則正しく服薬していても1年前後で認知症症状がかなり進行・悪化してくる患者さんも見られます。認知症診療に長年携わっていますと、個々の患者さんで抗認知症薬の薬効は大きく異なるのではないかとの印象が浮かんできます。
 図2は、ドネペジル5mgあるいは10mgを服薬している患者さん191人について、1年後にMMSEがどのように変化していたかを調べた結果です。1年後に10点以上改善していた患者さんが1人います。逆に10点以上悪化していた患者さん1人います。2点悪化していた患者さんの数が最も多いのですが、20点の変化幅に幅広く患者さんの変化が分布していることがわかります。
 図2.JPG

 図3は、2年から5年後まで処方を継続できた患者さんの得点の変化を見たものです。年数を経るに従って青で示す改善を示す患者さんは減少し、代わって赤で示す悪化を示す患者さんの割合が増えていくことが観察されます。5年後を見ると、多くの患者さんは悪化の領域に分布していますが、29人中6人は開始時と比して不変あるいは1点、2点の改善を維持しています。患者さんによっては、神経心理検査を尺度にするとドネペジル服薬5年後でも改善を示す患者さんもいるのです。抗認知症薬の薬効は、患者さんによって大きく異なる可能性が高いように私は感じています(神経心理検査からの視点ですが)。
 図3.JPG

【3】必ずしも決められた維持量にこだわることはない
 抗認知症薬では、添付文書では維持量がそれぞれ設定されています。ドネペジルは、3mgから開始し5mgが維持量であり、高度に進展した場合には10mgに増量するという選択肢があります。リバスチグミンは18mg、ガランタミンは16mgあるいは24mgとなっています。私は、この維持量に必ずしもこだわる必要はないと考えています。
 図4は、リバスチグミン18mg維持群と13.5mg維持群での臨床効果を検討した結果を示したものです。貼付開始前に比してその後の時点でMMSEが1点以上増加していた場合を改善群、1点以上低下していたときには悪化群、変化が見られないときには不変群と分類し、3年後までの薬効を比較したものです。貼付開始1年後に限ると、18mg維持群と13.5 mg維持群で改善あるいは不変群の割合に大きな違いはないようです。2年後には13.5mg維持群でやや効果が減弱し、3年後には明らかに18mgに比して改善群は減少してきています。
 しかしながら、13.5mg維持群でも十分臨床効果は期待できるとも言えると思います。13.5mgよりも18mgに増量するほうが皮膚症状の発現する危険性が高いことを考えますと、13.5mgの維持でも十分臨床的な意義はあるように感じています。
 図4.JPG

 ドネペジルでも5mgに増量すると易怒性や不穏などの困った状態が出現あるいは増悪する事例を経験します。ドネペジルの副作用と考えるよりもコリンエステラーゼ阻害活性が過剰に発現しているリスポンダーと想定し、3mgへの減量を図ることで適度の活発化を期待できるのではないかと思います。
 実臨床では患者さんの病状に合わせて、決められた維持量にこだわることなく、適量をその患者さんの維持量としていくべきではないかと私は考えています。
 最後に誤解のないように述べておきますが、昨今の抗認知症薬は少量の方がよい、少量にすべきであると提唱している一部の医師とは全く意見が異なることを強調したいと思います。彼らの背景には抗認知症薬は害であるとの前提があるように思われます。したがって、なるべく抗認知症薬は使用しないほうがよいし、仮に処方する場合にはごく少量でよいとの意図があるようです。私は、抗認知症薬は可能ならばいわゆる維持量まで増加したほうがよいと考えていますが、患者さんの個々の状況で減量という選択肢もあるとの立場で診療を行っています。

 次回からしばらくは、今年の3月12日から施行される高齢者運転免許更新に関する改正道路交通法と臨床の現場あるいは臨床医の関わりについて再度考えていきたいと思います。
 川畑先生.JPG
 【日経メディカル・連載『プライマリケア医のための認知症診療講座』 2017/1/6】

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