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ひざ痛―1日1万歩は意味がない [ウォーキング]

ひざ痛―1日1万歩は意味がない

 ウォーキングブームが続いている。健康推持のためだけでなく、「脚が弱って寝たきりになりたくないから」という動機で始める人も少なくない。だが脚を鍛え、ひざを守るという点から見ると、ウォーキングは不十分だと言う。テレビ番組などでひざ評論家として活躍中の整形外科・戸田佳孝医師(戸田整形外科リウマチ科クリニック)が警鐘を鳴らす。
 …(中略)…
 最後まで歩ける体力を維持し、ひざへの負担を軽減するためにも、脚の筋肉を鍛えることはとても大切です。とくに、ひぎを守るためには、脚の太ももの表側の筋肉(大腿四頭筋)と裏側の筋肉(ハムストリングス)を鍛える必要があります。これらの筋肉が、歩いたときやジャンプしたときの衝撃を和らげ、ひぎへの負担を軽くしてくれるからです。
 しかしいくら歩いても、これらの筋肉を鍛えることはできません。私のクリニックでの調査でも、運動習慣のない人たち五十四人と、ラジオ体操に加えてウォーキングを習慣にしている人たち三十八人を抽出して、脚の筋力を比べたところ、前者が10.4kg、後者が10.0kgで、結果はほぼ互角でした。
 一方、脚の筋力トレーニングを行っている人たち三十八人の平均は12.0kgで、明白な差がありました。この結果からも、ひざを守るためには歩くだけではダメで、筋力トレーニングが欠かせないことがわかります。

一日八千歩でOK
 トレーニングといっても、特別な器具やジム通いは必要ありません。おすすめなのが、私が考案した「足先内向きコーナースクワット」(イラスト参照)です。
コーナースクワット.jpg
 まず、家の壁の隅(コーナー)にお尻をつけて、足先を内側に向けて立ちます。その体勢で壁に背中をつけたまま、ゆっくりひざを曲げて、五秒数えます。太ももの筋肉に力が入り、触ってみると力が入ってこわばっているのがわかるはずです。
 一セット五回、はじめは一日に三回(起床直後、昼食後、就寝前)行ってください。慣れてきたら朝食後と夕食後の二回追加して、一日五セット行いましょう。忘れたら思い出したときに行えば結構ですので、一日の合計が十五回以上になるようにしてください。
 …(中略)…
 よく「一日一万歩が目標」と言われますが、東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室・青栁幸利室長らの研究によると、一日に八千歩程度でも十分に病気予防の効果が得られるそうです。
 以下省略(鳥集徹)
 【戸田佳孝:ひざ痛―1日1万歩は意味がない. 文藝春秋第九十四巻第七号 277-279 2016】
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