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PINK1蛋白とミトコンドリア [パーキンソン病]

PINK1蛋白とミトコンドリア

 PINK1遺伝子は2004年に3番目の常染色体劣性遺伝型パーキンソン病(PD)の原因遺伝子として同定された.PINK1蛋白はミトコンドリアに局在するリン酸化酵素と考えられ,おもに分子生物学・細胞生物学的手法によりPINK1蛋白に関する機能解析が行われてきた.本蛋白の機能低下によるミトコンドリアの呼吸機能障害,ミトコンドリアのカルシウム(Ca)ホメオスタシスの異常,ミトコンドリアを含む酸化ストレス上昇などが報告されている.近年では,PINK1とミトコンドリアダイナミクスとの関連や,ミトコンドリア内膜電位維持との関係が指摘されている.さらに,別の劣性遺伝型PD遺伝子産物Parkinと協調し,不要となったミトコンドリアのautophagyによる処理(mitophagy)に関与している可能性も報告されている.したがって,PINK1遺伝子はPDとミトコンドリアという観点から注目されている.本稿ではこの約10年間の研究の流れを概説し,主だった仮説を紹介する.
 【北田 徹:PINK1蛋白とミトコンドリア. 医学のあゆみ vol.247 1031-1037 2013】

私の感想
 難しすぎてコメント不可です。
 詳細は↓
 https://www.ishiyaku.co.jp/magazines/ayumi/AyumiArticleDetail.aspx?BC=924710&AC=13365

iPS細胞を用いたパーキンソン病治療に向けて [パーキンソン病]

iPS細胞を用いたパーキンソン病治療に向けて

はじめに
 パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経細胞が進行性に脱落することにより,手足の振戦や筋強剛,運動低下などを生じる疾患である.多くは50歳以降に発症し,2014年の厚生労働省の統計では日本には約16万人の患者が存在し,しかも増加傾向にある.また,要介護の原因の4.2%を占め,単独の疾患としては最も多い.パーキンソン病の標準治療は内服治療であり,ドパミンの前駆物質であるL-ドパの服用により運動症状の改善が得られる.特に病気の早期においては有効であるが,長期投与により効果持続時間が短縮し,薬物濃度の変動とともに症状が変動するウェアリングオフ,急激的・突発的に効果消失が起こるオンオフ現象,さらには不随意運動であるジスキネジア等の運動合併症が出現する.L-ドパが効果を発揮するためにはドパミンに変換されなければならず,それにはドパミン神経細胞が必要である.ところが,そのドパミン神経細胞が変性脱落するのがパーキンソン病であり,症状発症の時点ですでに正常時の1/3~1/4にまで減っている.病気の進行とともにドパミン神経細胞はさらに減り続けるので,上記にみられるように薬物治療のみでは症状のコントロールが次第に困難になり,患者のQOLは著しく低下する.この状態では根本的にドパミン神経細胞が不足しており,それを解消するために細胞移植に期待が寄せられている.
 【高橋 淳:iPS細胞を用いたパーキンソン病治療に向けて. 脳外誌 Vol.25 489-496 2016】
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