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勤務医の自殺リスクは3.6%、うつ症状は7.6% [うつ病]

勤務医の自殺リスクは3.6%、うつ症状は7.6% 日医委員会調べ
 https://medpeer.jp/news/article?id=209&from=top_news_ranking
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睡眠時間・休日日数との関連認める
 自殺のリスクが高いとみられたり、中等度以上のうつ症状が認められたりする勤務医がそれぞれ3.6%、6.5%いることが、日本医師会の「勤務医の健康支援に関する検討委員会」の調べで明らかになりました。死や自殺を考える勤務医の割合は当直中の睡眠時間が短いほど高まり、うつ症状の分布は1カ月当たりの休日の日数が多いほど下がることなども分かり、委員会ではこれらの結果を参考に長期的な支援策を検討するよう呼び掛けています。

休日日数・当直環境など、勤務状況は改善も
 調査は、日医会員の勤務医約8万人から無作為抽出した1万人を対象に2015年6月15日~7月15日に実施しました。最近1カ月間の休日の日数や当直回数といった勤務状況と、抑うつ症状の尺度となるQIDSで中等度以上に該当するかといった健康面の質問に3166人が回答しました(有効回答率31.7%)。
 その結果によると、「最近1カ月間に休日なし」と答えた勤務医は、09年の8.7%に対して15年は5.9%と2.8ポイント減少しました(表1)。
 このほか、「当直回数が月4回以上」は09年が26.4%、15年が22.5%(3.9ポイント減)、「当直日の平均睡眠時間が4時間以下」は09年49.8%、15年39.3%(10.5ポイント減)、「半年以内に不当なクレームを経験」は09年45.9%、15年37.0%(8.9ポイント減)などと勤務状況の改善ぶりが目立ちました。

勤務医の2割が「不健康」を自覚、6年前と変わらず
 これに対して健康面では、「健康ではない・不健康」と自覚する勤務医は今回が20.1%で、09年の21.5%と比べて大きな変化はありませんでした。
 「自殺や死を毎週/毎日具体的に考える」は3.6%(09年は5.7%)、「QIDSが中等度以上」は6.5%(同8.7%)と09年からいずれも低下しましたが、委員会では、喫緊の健康危機に直面している勤務医が依然として相当数存在するとして、実効性のある対策を速やかに取る必要があるとしています。

当直が多いほど、オンコールが多いほど・・・
 今回の調査では、メンタルヘルス(うつ)の尺度となるQIDSの値や自殺リスク、労働能力障害の程度などが勤務状況によってどれだけ変化するかもクロス集計しました。
 その結果、「うつ症状の分布は休日の回数と明確な関連があり、休日が多いほど)低い」「当直回数が多いほど『生きている価値への疑問』を感じる割合が高まる」―などが分かりました。
 また、オンコールの回数が多いほど労働能力障害の程度が高まる傾向が認められ、委員会では、出勤はしていても体調不良などで能力を完全には発揮できない「プレゼンティーイズム」のリスクは、勤務状況に左右されると指摘しました。

勤務医の健康支援策に15のアクション
 今回の調査結果は、委員会が3月31日、日医の横倉義武会長に答申した「医療勤務環境改善支援センターと連携した勤務医の健康支援の推進」に盛り込まれました。
 答申の中で委員会は、勤務医の健康支援の具体策として「当直の翌日は休日にする」「診療補助者(医療クラーク)を導入し、医師は診療に専念」「予定手術前の当直・オンコールを免除」など15のアクションを提言しています(表2)。これらは、委員会が14年3月にまとめた「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」30項目のうち、勤務医からの要望が強いなど15のアクションをリストアップしたものです。
 メンタルヘルスや自殺リスク、労働生産性、勤務継続意思の高さを示す4つの指標が、これらのアクションによって改善するかどうかを評価したところ、15項目のうち14のアクションでは4つの指標すべてに対する改善効果が認められたということです。
 そのため委員会では、都道府県の「医療勤務環境改善支援センター」を活用してこれらのアクションを実行するよう呼び掛けています。医療従事者の勤務環境の改善を継続的に進めるため、14年の医療法改正に伴って各都道府県には支援センターの設置(努力義務)が求められました。

【兼松 昭夫 (かねまつ あきお)
「最新医療経営フェイズスリー」記者などを経て2006年、「医療・介護CBニュース」を創刊。CBニュース編集部元マネジャー。14年、「メディ・ウォッチ」を創刊し、チーフエディターに就任。16年からフリーに。】
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