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肺炎で「とりあえず禁食」はもうやめよう [嚥下障害]

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肺炎で「とりあえず禁食」はもうやめよう―NHCAP診療ガイドラインが明らかにした現実
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201602/545564.html&pr=1
 肺炎治療において薬物治療の標準化が進み、肺炎そのものの治療成績は向上している。しかし、誤嚥性肺炎の高齢者など、肺炎が治っても退院できない患者が増えている。高齢肺炎患者の予後を改善するにはどうしたらよいのだろうか。
 …(中略)…
 東北薬科大学病院呼吸器内科・感染管理対策室の関雅文氏は、自身がとりまとめに関わったNHCAP診療ガイドラインをこう評する。NHCAP診療ガイドラインとは、日本呼吸器学会が2011年に発行した医療・介護関連肺炎(nursing and healthcare-associated pneumonia:NHCAP、エヌエイチキャップと読む)を対象としたガイドライン。院内肺炎(HAP)ではないが、市中肺炎(CAP)とも異なる、介護施設に入所している高齢者や在宅介護、長期療養型病床に入院している患者などの肺炎を指す。「多くの臨床医が漠然と感じていた、市中肺炎とも院内肺炎とも異なる患者像にNHCAPは合致し、ガイドラインは歓迎された」と関氏は振り返る。
 …(中略)…
 
「とりあえず禁食」が予後を悪化させる
 従来、高齢肺炎患者の診療においては、治療開始から10日間ほど肺炎を治すことに専念するため、禁食にして、できるだけ肺の炎症を抑える処置を行うのが一般的だった。抗菌薬を投与している一方で、誤嚥を繰り返して炎症の改善が遅れがちになるのは避けたいし、経口摂取で窒息が起こるリスクを懸念するからだ。そのために、「とりあえず禁食」を選択するわけだ。
 しかし今では、「やや極端な言い方だが、誤嚥してでも食べて、栄養を摂取しないと最終的な予後の改善にはつながらないという考え方が広がり始めた」(関氏)。
 熊本県玉名地域保健医療センター摂食嚥下栄養療法科でNSTチェアマン、内科医長を務める前田圭介氏も「とりあえず禁食」に疑問を感じていた一人だ。
 …(中略)…
 前田氏は、「近年、サルコペニアと誤嚥性肺炎の関係が注目されている」と紹介する。寝たきりや要介護など筋力の低下(サルコペニア)が認められる高齢者が、肺炎罹患前は経口摂取ができていたのに、肺炎になって禁食したのをきっかけに栄養不足になり、その影響でサルコペニアが進んで嚥下機能も一気に低下し、二度と経口摂取に戻れなくなる──という悪循環に陥っているのではないか、というわけだ。
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