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現代型うつ病 大うつ病性障害 非定型うつ病 [うつ病]

「現代型うつ病」をどのように解釈するか─その病態と治療的対応
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「現代型うつ病」への治療的対応
メランコリアとディスチミア.jpg
 表3に示したように,逃避型抑うつ,非定型うつ病,ディスチミア親和型うつ病に該当する病態を呈する彼らに対しては,うつ病と告知し,「服薬と休養で比較的短期間で治る」という保証を安易に与えることは決して得策ではない.そのことが彼らに,「自分はうつ病なので,何も(仕事を)しなくてよい,あるいは(周囲の目からは遊興としか映らないインターネット,ゲームへの熱中,海外旅行など)何をしてもよい」という気持ちを抱かせ,かえって長期転帰が不良とをることもあろう.つまり,休養をすすめることがいつもよいとは限らないし,病状によっては,多少つらくても仕事や家事をしながら生活のリズムを整えることも大事であることを説明すべきであろう.また家族には,本人の病気を理解しつつも過保護にはしないように説明する.批判は禁物だが,患者に合わせ過ぎず,言うべきことは言うように勧める.
 環境の変化(とくに人事異動や上司の叱責,同僚,部下との不和が発症の契機となった場合には,さらなる人事異動など)が彼らの病状に好ましい影響を与えることも少なくない.職場の上司や産業医との連携をも視野に入れ,そうした環境変化が生じるのをじっくり待つ姿勢も重要である.しかし,最も重要なことは,「本当のうつ病でもないくせに,うつ病,うつ病と騒ぎたて疾病利得を得ようとしている」という冷たい目のみで彼らを見てしまわないことである.そうした陰性感情が治療的にポジティブに作用するはずがない.
 いずれは治るという「希望を処方」しつつ,「服薬と休養で比較的短期間で治る」という安易な期待を彼らが持たないようにすることが肝要である.いずれは治るといっても,そう言っているだけではもちろんすまされない.数カ月,半年,1年程度などといった目安をそれぞれの症例の治療過程に応じてその都度,ある程度は具体的に示唆することも求められよう.
 そして彼らにかろうじて残されているレジリアンス(回復力)を最大限引き出す機会をうかがうことであろう.そのためには,彼らの自己愛を過剰に肥大させない範囲で,他者に適切に評価され,誉められた経験に乏しい彼らの屈折した自己愛が少しでも満たされるべく配慮することも一つの方策であろう.
 【坂元 薫:「現代型うつ病」をどのように解釈するか─その病態と治療的対応. 綜合臨牀 Vol.59 1197-1201 2010】

適切な治療・対応につなげるために、いわゆる“新型うつ病”への誤解を解く

日本うつ病学会, うつ病Q&A Q4
新型うつ病.jpg
 http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/qa/pdf/qa4.pdf

DSMの「うつ病」といえば、「大うつ病性障害」
大うつ病性障害の診断基準.jpg
 【CNS today Vol.3 No.6 Medical Tribune December, 2013 3-12】
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