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尿と便の困りごと [認知症ケア]

 朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第510~520回『尿と便の困りごと』(2014年6月5日~15日公開)

朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第510回『尿と便の困りごと―何とかしようとするのは意欲現れ』(2014年6月5日公開)
 ほんの数年前までは希少価値の高かった認知症ケアに関する書物ですが、この2~3年で随分多くの本が出版されました。ただ今回のシリーズにおいて取り上げます弄便・放尿・整容拒否などに関しては、多くの介護者が困っている症状にも関わらず、対処方法に関する記述はとても少ないのが現状です。
 認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD)のなかでも、弄便(ろうべん)は最も介護者を悩ませる行動障害です。
 弄便とは、不潔行為の一つであり、排便後処理がわからない場合や便尿失禁後の不快感から、素手で便を処理しようとする行為です。そして場合によっては、体や衣類・ベッド柵・壁などにこすりつけたりします。
 頻度的には少ないように思われる弄便ですが実際にはかなり多く認められるという報告もあります。
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学の寺田整司准教授は、「弄便とは、便を弄ぶ行為であり、認知症の進んだ人にみられやすい。施設入所者246名を対象とした報告では、月数回以上の頻度で弄便がみられる人が23名(9.3%)を占めている。またBPSDを有する在宅認知症患者134名を対象とした調査では、5名(3.7%)で認められている。」(服部英幸編集:BPSD初期対応ガイドライン ライフ・サイエンス, 東京, 2012, pp58-59)と報告しています。
 精神科医の小澤勲さん(故人)は、弄便に至ってしまう認知症の人の心理状況について、自身の介護経験も回顧しながら次のように言及しております。
 「弄便はかなり認知症が進んだ人にみられるのだが、在宅介護では困り果てることの一つである。こんな成り立ちであろうか。
 『お尻のあたりに何かが挟まっているみたいで気持ち悪い。触ってみよう。何かグニョグニョしたものがある。何だろう。でも、これを取り除けばいいんだ。手に何か付いたなあ。布団にこすりつけたら、まあ、何とかなった。お尻のあたりも少しマシになったようだ。あれっ? すごい顔して嫁さんが飛んできた。怒ってる。何を怒ってるんだろう? ひどくまずいことを私はしたらしい。何をしたのだろう…』
 自分に起こった不具合を何とかしようとする人ほど周辺症状、なかでも妄想や徘徊などの陽性症状を招き寄せることが多い。何とかしようという意欲まで失ってしまうと、陽性症状はあまり見られなくなる。その意味では、陽性症状は認知症を生きる人のエネルギーの発露でもある。
 だから、弄便があっても受容せよ、などと無理なことを言っているのではない。ある行動の裏に広がる世界を知って対応することが必要であり、叱責してもまったく意味がないと言いたいだけである。
 ただ、ご家族はそんなことは百も承知で、それでもつい叱ってしまい、自責の念にかられるのである。私もかつて認知症をかかえる父親を自宅で介護していたことがある。ある日、帰宅すると、すさまじい臭いのなかで妻が泣きながら塗りたくられた便の始末をし、畳を拭いていた。つい厳しい叱責の言葉を、私は父に向けていた。妻に対する『すまない』という思いが、このような言動をとらせたに違いない。父はきょとんとした顔をし、それでも嫁のために自分が息子から叱られているらしいと感じたのだろう。妻をにらみつけ、しばらくはギクシャクした関係が続いた。」(小澤 勲:認知症とは何か 岩波新書出版, 東京, 2005, pp159-160)

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弄便:
 「排便に対する不潔行為のことです。介護者の心理的負担を増し、在宅介護を断念する理由として最も高く、アルツハイマー型認知症では約49%、血管性認知症では約32%で認められるとの報告もあります。一方で、施設入居者でも50%以上と、高頻度に認められています。」(羽田野政治:“根拠”に基づく 新しい認知症ケア─「キョウメーションケア」でBPSDが緩和する! 中央法規, 東京, 2013, p72)


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第511回『尿と便の困りごと―あわてず手早く始末する』(2014年6月6日公開)
 さて、弄便への対応はどうすればよいのでしょうか。基本は、排便のコントロールにあります。食事と水分摂取をしっかり行い、便秘をコントロールして、本人が便を手にしないように予防することが大切です。
 大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室の數井裕光講師は、「弄便をみつけたら、叱っても効果はありません。びっくりされるでしょうが、あわてず手早く始末しましょう。」(數井裕光、杉山博通、板東潮子:認知症 知って安心! 症状別対応ガイド メディカルレビュー社, 大阪, 2012, pp176-177)とアドバイスしています。
 須貝佑一先生らが書かれた『本人と家族のための認知症介護百科・改訂第2版』(永井書店発行, 大阪, 2010)のpp159-160には興味深いケースが紹介されています。
 「あるアルツハイマー型認知症の女性は、着衣失行の症状(衣類をちゃんと着られなくなる)に対して娘さんが着替えの訓練をするようになってから弄便が生じました。娘さんは手を貸す(援助)と、ますますダメになると思ってそばで注意するだけにとどめていたのですが1時間かかっても終わらなくなり、衣類を順番に手渡す(援助)ことにしたら5分で終わり、弄便もみられなくなりました。『認知症を進めない』という娘さんの取り組みが母親を追い詰めて異常行動に走らせた例です。」
 種々の工夫を凝らしても対応困難である場合には、物理的に大便に触れることができないようにする対応をせざるを得ない場合もあります。おむつを外せないように手袋をはめたり、「つなぎ」と呼ばれる特殊な衣類(拘束衣)を着せて本人が衣類を着脱できないようにするのです。
 認知症ケアに精力的に取り組まれた元岩手医科大学神経内科・老年科准教授の高橋智先生(故人)は、便であることがよくわからずにおむつの中に手を入れて便を手にしてしまう場合が多いので、「弄便行為のある人が排便したときは、介護する人ができるだけ早く便を処理しましょう」(別冊NHKきょうの健康─認知症 よりよい治療と介護のために 2011年3月25日NHK出版発行 pp85-97)と述べています。

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陽気な介護が大切!:
 2013年11月23日に放送されましたNHKスペシャル「母と息子 3000日の介護記録」(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20131123)にゲスト出演されました新田國夫医師(在宅医の全国組織会長─20年以上在宅医療を実践し、認知症の人など千人近くを自宅で看取っている)は、番組内で流されました元NHKディレクター相田洋さんによるお母様の介護(1998年2月に認知症を発症、2011年に緊急入院するまで自宅で介護した)の様子(ホームビデオ)を見て、「『認知症の介護って普通は陰湿、だから家族はバテちゃってどこかに行かないと(入所)ならなくなっちゃう。』 でも相田さんの様子をみていると陽気です。この『陽気な介護が大切!』」と感想を述べておりましたね。
 番組では、弄便への対応で苦慮する相田洋さんの生々しい映像も流れました。こうした映像が流れることを許可した相田洋さんの信念(=認知症介護の状況をきちんと伝えたいという強い信念)には感服致しました。
 そして、番組のコメンテーターの方々も、「弄便に対しては、あわてず手早く始末する」ことが大切であると述べておられました。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第512回『尿と便の困りごと―プライドへの配慮、忘れるな!』(2014年6月7日公開)
 また高橋智先生は、「おむつ外し」に関して、「おむつを替えるときに、『今日はいっぱい出ましたね』など、排泄に関することを言われると、屈辱感が増します。排泄については触れず、おむつ替えなど特別なことではないという態度で、手早く淡々と行いましょう。恥ずかしさ以外にも、おむつに違和感を感じたり、排泄物が不快なために、おむつを外す場合もあります。」と指摘されています。
 日本大学文理学部心理学科の長嶋紀一教授の著書『認知症介護の基本』の第四章「認知症の人とのコミュニケーション」(中央法規, 東京, 2008, pp95-115)において、認知症ケアアドバイザーの五島シズさん(全国高齢者ケア協会監事、認知症介護研究・研修東京センター客員上級研究員)は、施設などでよく耳にする言葉の中にも、高齢者の尊厳を傷つける言葉があると指摘しています。
 スタッフが大きなおむつ交換車を引いてきて、部屋の入り口で「皆さん、おむつを替えさせていただきます」と挨拶しました。介護現場ではありがちな光景ですね。しかし、五島シズさんは、これは、「あなたは、おもらししているのよ」ということを周囲の人に知らせているようなものであり、スタッフは気づいていないが高齢者の尊厳を傷つける言葉であると指摘しているのです。
 大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室の數井裕光講師も、プライドに配慮することが大切であると指摘しています。
 「『パンツが濡れているから着替えましょう』と声をかけたのでは、ご本人のプライドは傷ついてしまいます。
 『お父さん、汗がすごいですよ。着替えの準備できていますよ』とか『今ちょうど洗濯するところですから、着替えてくれると助かるわ』などと頼むと、あっさり聞き届けてくれるかもしれません。
 『汚い』『臭い』『汚れている』など、嫌な気持ちになる言葉はできるだけ避けて、『きれい』『気持ちいい』『さっぱり』など、聞いて快い言葉で声をかけましょう。」(數井裕光、杉山博通、板東潮子:認知症 知って安心! 症状別対応ガイド メディカルレビュー社, 大阪, 2012, p170)


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第513回『尿と便の困りごと―さっと片付けで、患者が変わった!』(2014年6月8日公開)
 弄便に対しては、數井裕光講師、高橋智先生(故人)が指摘されておりますように、「弄便をみつけたら、叱っても効果はありません。びっくりされるでしょうが、介護する人ができるだけ手早く始末しましょう。」という対応に尽きるようです。そんなことをつくづく感じる事例をごく最近経験致しました。
 患者さんは、80歳代前半の男性患者さんです。2012年に入り意欲低下が目立ってきました。また、風呂での排便、弄便(カーテンなどにこすりつける)、便のついたティッシュをタンスに隠すなどの行動が目立ってくるとともに、怒りっぽくなってきたことに家族が苦慮し、榊原白鳳病院もの忘れ外来に受診されました。
 改訂長谷川式認知症スクリーニングテストは17/30点と低下しておりました。諸検査の結果、アルツハイマー型認知症と血管性認知症の混合型認知症と診断し、リバスチグミン(商品名:リバスタッチ[レジスタードトレードマーク]パッチ、イクセロン[レジスタードトレードマーク]パッチ)を開始しました。また認知症介護における基本的なアドバイス(否定しない、怒らない、患者さんの言葉や行動を受けとめる)を指導致しました。
 診察を終えた後、私は弄便・風呂での排便に関する情報を再収集し、次回の受診時にご家族にお渡しできるよう準備しておきました。例えばこのような資料(http://www.kaigo110.co.jp/dictionary/qa3.php?qano=24435)です。ただ、決め手となるような特別なケアの方法は確立されていない領域の問題でしたので、正直言いますと私も少々重たい気持ちで再診日を迎えました。
 しかしながら1か月後に再診されたときに、ご家族にその後の様子をお伺いしてみると、驚くほどの改善を示されておりました。
 以下は、初回再診日に娘さんが私に話してくれたことです。
 「実は知人に相談し施設入所なども検討しましたが、父が可哀想だったのでやめました。そして母と相談し、覚悟を決めて、弄便があっても怒らずにさっさと片付けるようにしました。また風呂上がりに認知症の貼付剤を貼るときには十分なスキンシップにも心掛け、夜寝るときには子どもをあやすようにして頭をよしよし撫でるようにしました。そうしたら、本人の易怒性が数日で消失しました。お風呂での排泄行為はまだ時々あるものの、弄便行為は無くなりました。最近では本人が、『すまんな、すまんな』と言ってくれるようになりました。」
 これらの改善効果はわずか数日で出現しておりますので、認知症貼付剤の効果だけとは考えがたいです。貼付剤を貼るときなどに行われたスキンシップ、および認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD)に対するご家族の対処法の変化によって、易怒性と弄便が短期間で著しく改善した事例と言えそうですね。すなわち、風呂での排泄行為に対してご家族から叱られたため、叱られないように便を隠そうとして弄便行為に結びつき、その行為に対してまた叱られたため本人の易怒性が誘発されていた状況であったものと推察されます。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第514回『尿と便の困りごと―タッチケアで「落ち着き効果」』(2014年6月9日公開)
 スキンシップが功を奏した事例をご紹介しましたので、それに関連して「タクティールケア」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB)についてもお話をしておきましょう。
 タクティールケアは、ラテン語の「タクティリス(taktilis)」に由来する言葉で「触れる」という意味です。スウェーデン発祥のソフトマッサージの一種であり、手や背中を優しく触れたり撫でたりします。近年では認知症ケアなどにも活用されており、認知症の人の不安が軽減し、良好な睡眠が取れるようになったり、行動が落ち着くなどの効果もあるようです(http://fukushi-sweden.net/welfare/kaigonosikata/2007/taktil07.01..html)。
 浜松医科大学地域看護学講座の鈴木みずえ教授らの研究によれば、重度認知症高齢者に対する6週間(1回約20分・週5回で合計30回)のタクティールケアの介入により、認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD)における攻撃性が有意に改善したと報告されております(Suzuki M et al:Physical and psychological effects of 6-week tactile massage on elderly patients with severe dementia. Am J Alzheimers Dis Other Demen Vol.25 680-686 2010)。この論文の要旨はウェブサイト(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21131675)において閲覧可能です。因みにタクティールケアにおいて撫でるように触れる際のスピードは、リラックス効果が期待される1秒5cm程度のスピードが好ましいようです(鈴木みずえ:タッチケア(タクティールケア)の現状と課題. 認知症の最新医療 Vol.2 185-190 2012)。

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 竹内孝仁先生(国際医療福祉大学大学院教授)は、認知症のタイプを3タイプ(葛藤型、回帰型、遊離型)に分類しております。
 葛藤型、回帰型、遊離型の3タイプについて紹介し、遊離型への対応方法について三好春樹さんが著書の中で解説しておりますので、以下に一部改変してご紹介しましょう(三好春樹:認知症介護─現場からの見方と関わり方 雲母書房, 東京, 2014, pp164,178-183)。
 「葛藤型:老いた自分を受け入れることができず、かつての若い自分に戻ろうとがんばるが、現実の老いた自分を見せつけられ、葛藤が起きる。
 回帰型:老いた自分を受け入れることができず、かつての自分らしかったころに帰ることで、自分を取り戻そうとする。
 遊離型:老いた自分を受け入れることができず、現実から遊離して自分の世界に閉じこもることで、自分を保とうとする。

 遊離型は、老化や障害を持って生きていくことをもはやあきらめ、現実との関係を遮断して、自分の世界に閉じこもることで自分を保とうとするタイプをいう。
 遊離型の問題行動の1つ目は、『無為、自閉』である。つまり、何もしなくなり、人と交わることなく自ら孤立していくことだ。だれかを困らせたりするわけではないから、『おとなしい老人』と思われて、問題行動だとは思われていないかもしれない。
 問題行動の2つ目は、『独語』、つまり独り言である。声をかけても反応せず、一人でブツブツ言って、一人で笑っているようすは、見ていて気持ちのいいものではない。また、遊離が深まると、出された食事にも興味を示さず、口に入れても噛もうとしなくなる。そうなると、生命にかかわることにもなる。
 私たちが老人の自閉に対して行うのは、無理やりの引き出しとは全く違う。むしろ、老人が引きこもったところにまで世界を拡張してしまうことなのだ。つまり、引きこもりを肯定した上で、そこから出発して、老人の回りに世界を形成するのだ。逃げなくていい世界をつくるのである。生きているという実感、生きていてよかったと感じられるような生活を再建するのだ。
 きっかけとなるのは刺激だ。
 …(中略)…
 スキンシップは遊離型の認知症老人に対する最後のアプローチ法だ、といってもよい。介護の上手い人は、上手にスキンシップを使っている。私が提案する『老人ケアのスキンシップ3段階』は次のとおりだ。
 まず握手だ。『また来週来ますから、それまでお元気で』とか、『明日また会いましょう』と言いながら、別れるときに握手をしてみてほしい。
 次が、肩に手を回す。これは、例えば久し振りに会ったときだ。『お元気でしたか?』とか、『どうしてたんですか、しばらく見なかったけど』と言いながら、肩に手をかけてほしい。握手に比べるともっと身体は近づき、心も近づくはずだ。
 そして最後が、頬をすり寄せる。これは急にやるものではないし、やっても気持ち悪がられるだろう。つまり、思わずそうしたくなるような、うれしい場面をつくってほしいのだ。何年も家から出なかった人が、初めてデイサービスにやってきて、幼なじみと出会って涙したときなど、思わず頬をすり寄せたくなるではないか。いくら仕事でもそこまではできない、という人は、もちろんやらなくてもいい。」


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第515回『尿と便の困りごと―タクティールケアの根拠』(2014年6月10日公開)
 タクティールケアの有効性を裏づける科学的根拠として、体内におけるオキシトシンの関与などが指摘されております。日本スウェーデン福祉研究所(http://www.jsci.jp)の木本明恵看護師は、「タクティールケアを通して肌に触れることにより、皮膚にある触覚の受容体が刺激され、知覚神経を介して脳に伝達され、脳の視床下部から血液中にオキシトシンが分泌される。血流によってオキシトシンが体内に広がることにより、不安感のもととなるコルチゾールのレベルが低下し、安心感がもたらされる。」と作用機序について言及しております(木本明恵:認知症高齢者に寄り添うタクティールケア. 老年精神医学雑誌 Vol.22 62-69 2011)。
 またオキシトシンの吸入によって、マカクザルが他者への報酬を考慮して意思決定を行う(=他者顧慮的選択)頻度が増加することも報告(Chang SW et al, 2012)されております(磯田昌岐:マカクザルを用いた社会脳研究の最近の進歩. BRAIN and NERVE Vol.65 679-686 2013)。
 医療法人社団二山会宗近病院の八木喜代子ゆうなぎ病棟師長は、夕暮れ症候群を呈し帰宅願望の目立っていた患者さんに対して、タータン人形を抱いてもらい、手のタクティールケアを毎日行ったところ、安心感が得られ不眠が解消した事例があったと報告しております(八木喜代子:認知症患者へのダイバージョナルセラピー・園芸療法・タクティールケア. 精神科看護 Vol.39 No.11 24-30 2012)。
 認知症を患った高齢女性にタータン人形などのドールセラピーを行うと、子育てという役割の賦与により認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD)が顕著に改善することは確かによく経験されます。
 ちょっと高額ではありますが、近年では、ドールセラピーにおいてアザラシ型介護ロボット「パロ」(http://www.daiwahouse.co.jp/release/20101021153530.html)を活用している施設もあるようです。
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コミュニケーション障害治療―愛情ホルモン点鼻(名大など臨床試験)
 愛情ホルモンともいわれる「オキシトシン」を、対人コミュニケーション障害の治療に用いる臨床試験が始まる。山末英典東京大医学部准教授と岡田俊名古屋大医学部准教授、それに金沢大、福井大のグループが三十日発表した。
 対象は、かつてアスペルガ一障害といわれた病気が主体。現在は自閉スペクトラム症と総称される。他人の気持ちを表情などから読み取ることができず、コミュニケーションが苦手。多くが男性で、百人に一人以上いるが、有効な治療法はない。オキシトシンは脳から分泌されるホルモンで、出産時に陣痛誘発のために使われている。最近、授乳の促進や他者との信頼関係の強化、さらに親子のきずなを強める働きがあることが分かってきた。
 金沢大の棟居俊夫特任教授と福井大の小坂浩隆特命准教授らは、これまで自閉スペクトラム症の人にオキシトシンを投与し、症状の改善を確認した。東大の小規模な試験でも効果があると分かった。男性に対しては目立った副作用は報告されていない。
 今回は四つの大学で計百二十人の成人男性患者を募集する。七週間にわたってオキシトシンを鼻から吸収させ、偽薬を与えた場合と比較する。効果は、他者の感情を読み取る力などを総合的に判定する。
 研究グループでは「薬として認められるための第一段階。将来は女性や子どもにも使えるようにしたい」と話している。
【2014年10月31日付中日新聞・総合3面】


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第516回『尿と便の困りごと―帰宅願望が消えたケース』(2014年6月11日公開)
 ちょうど良い機会ですので、激しい帰宅願望が解消した自験例をご紹介しておきましょう。患者さんは、90歳代の男性患者さんです。
 2~3年前より物忘れが目立つようになりました。最近になって、デイサービスを利用していても帰宅願望が激しく、杖を振り回す、椅子を持ち上げて暴れるなどの「認知症の行動・心理症状」(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD)が目立ってきたため、近くの精神科病院の外来を受診しました。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)を処方されましたが一向に症状が改善しなかったため、2013年の初春に榊原白鳳病院を初めて受診されました。
 ご家族より詳しく症状をお聞きしますと、便失禁があって便をサランラップで包んでいたり、尿失禁、食べたことを忘れてまた食べるなどの行動も確認されました。改訂長谷川式認知症スクリーニングテスト(HDS-R)は13/30点と低下しておりました。CT検査にて脳萎縮を認め、アルツハイマー型認知症と診断しました。
 私は、処方されておりましたアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を中止し、メマンチンによる治療を開始しました。ただし、メマンチンだけではBPSDを完全にコントロールすることが困難でしたので、抗不安薬も追加しました。具体的には、ロラゼパム(商品名:ワイパックス[レジスタードトレードマーク])0.5mgを1日1回朝、メマンチンとともに服薬して頂きました。ロラゼパムは、抗不安作用が強く、血中半減期が短く排泄も速やかで、高齢者には比較的使いやすい薬剤です。
 主たる介護者である娘さんは仕事をされており、在宅介護は限界を迎えている状況でしたので、グループホームの体験入所をすることになりました。薬剤の効果もあったのか無事に体験入所を済まされ、本格的に入所が決まりました。入所したグループホームでの対応が良かったのか、入所後はBPSDも目立たず穏やかに過ごされました。
 しかし、初秋を迎えた頃、「家に帰って年賀状を書きたい」と話されたそうです。デイサービス利用中の激しい帰宅願望が脳裏をよぎり、娘さんは迷って私にも相談されました。「家に連れて帰ったら、『帰らない』と言い張り大騒ぎになるのではないかと心配ですので躊躇します」と話されておりました。
 しかし結局、本人の気持ちにも配慮し、おそるおそる家に連れて帰ったそうです。そこで本人が発した言葉は意外なものでした。
 ほんの少しだけ家を改築したせいもあったのか、食事を済ませると、「ここは俺の家と違う! 帰る」と言ったそうです。そして本人が帰ると言った先は、何とグループホームだったのです。そしてその患者さんは、娘さんが帰った後で施設の職員に向かって、「一生、ここにおらせてくれ」と話したそうです。なお、家に帰ったときに、年賀状の話は一切しなかったそうです。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第517回『尿と便の困りごと―施設の居心地による解消』(2014年6月12日公開)
 施設の居心地が良いと、いとも簡単に帰宅願望が解消されてしまうケースはあるようですね。もしかするとそうした施設の共通点は、「丸ごと受け入れる空気」なのかも知れませんね。認知症患者さんを丸ごと受け入れる雰囲気がごく自然に空気のように備わっている「桃源の郷」(広島県三原市)を土本亜理子さんが訪れて取材しまとめた著書があります。そこには非常に重要な視点が述べられておりますので以下にご紹介したいと思います。
 「実際、激しい徘徊も、もの集めも、重ね着も、入所して数日、長くても1か月もすれば、回数が激減し、症状が安定してくる。
 ただ、事実、症状は安定してくるのだが、その理由がスタッフにも計りかねる場合がある。かくかくしかじかのケアによって良くなったと総括、分析できるケースがある一方で、スタッフ自身にも『よく分からない』ケースも少なくないのだ。
 いつ頃からか、スタッフたちは、『ここには痴呆のお年寄りを丸ごと受け入れる空気が息づいているからではないか』と考えるようになった。」(小澤 勲、土本亜理子:物語としての痴呆ケア 三輪書店, 東京, 2004, p249)
 念のために申し上げておきますが、「痴呆」に替わる用語の検討がなされ(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0621-5b.html)、2004年12月24日に「痴呆」は「認知症」に改められております。しかし、『物語としての痴呆ケア』が出版(2004年9月20日第1版第1刷発行)された当時は「痴呆」が正式名称でありました。

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 理学療法士の三好春樹さんが『認知症介護─現場からの見方と関わり方(雲母書房)』という本を2014年5月15日に出版されました。この本は2003年に『痴呆論』として世に出され、その後、「認知症」という呼称が広がりつつあった2009年にあえて『痴呆論』のままで<増補版>として刊行されたものを、新たな題と本文中の「痴呆」の「認知症」への書き換え、および巻頭への新たな章の書きおろしを加えて、改訂新刊として刊行されたものです。
 私は、『痴呆論』は読んだことがありませんが『認知症介護─現場からの見方と関わり方』を読み進めております。その中に非常に印象深い一節がありましたので以下にご紹介したいと思います。

介護者は「最後の母」
 「認知症がもっとも深くなったとき、求めるのは親子関係だが、その極致は、自分が小さい子どもになって母を求めるに至る。
 Kさん(81歳、女性)は、嫁いびりがすさまじいことで近所で有名だった。特養ホームの職員の説得でやっとショートステイに行くことを承諾したのだが、介助して付き添ってきた嫁は、施設の相談員に1時間以上も泣きながら話を聞いてもらったくらいだ。
 しかし、次第に老いと認知症が深まり、気の強かったKさんもすっかり気弱になってしまった。『もうすぐご飯だから待ってなさい』と嫁に言われて、『ハイ』なんて言うようになったのだ。こうして、ショートステイにやってきた嫁は、相談員に悩みを聞いてもらう必要もなくなったらしく、ニコニコ笑いながら帰って行った。
 そのお嫁さんが、以前のような深刻な表情で相談員を訪ねてきた。第一声は『気持ちが悪いんですよ』だった。『何かあったんですか』と相談員が聞いている。『私のことを〝母ちゃん〟と言い出したんです』とお嫁さん。
 『最初は、子どもが私を呼ぶのを真似してるのかと思ったんですけど、そうじゃないんです。ほんとうの母親だと思ってるんですよ。女手ひとつで育ててきた一人息子を奪った憎っくき嫁だった私が、なんで〝母ちゃん〟なんでしょうね?』
 なぜだろうか。認知症は悲惨な世界だと思われている。なにしろ、自分がだれかも、ここがどこかもわからないのだから。しかし、それは赤ちゃんのときと同じである。赤ちゃんは自分がだれかわからないし、ここがどこかも知らない。果たして私たちは、赤ん坊のころは悲惨だっただろうか。
 よくは憶えていないけれど、泣いて訴えれば応えてくれる世界=母がいれば、あれはいい世界だったのではないか。あの時代に、世界との基本的な信頼関係をつくり上げてきたとさえ言われているではないか。ならば、自分がだれか、ここがどこか、がわからない認知症老人が、母を求めるのは当然だろう。
 介護者の仕事は、老人の『最後の母』になることなのだ。もちろん男性でもかまわない。なにしろ介護の世界は『やり手の女と、お人好しの男』が支えていると言われているくらいだから、男性のほうが母性的だったりするのである。」(三好春樹:認知症介護─現場からの見方と関わり方 雲母書房, 東京, 2014, pp158-160)


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第518回『尿と便の困りごと―物質と心の間の興味深い現象』(2014年6月13日公開)
 オキシトシンの話が出てきましたので、余談にはなりますがオキシトシンに関わる非常に興味深い研究成果をご紹介しましょう(開 一夫:赤ちゃんの不思議 岩波新書, 東京, 2011, pp162-165)。
 「オキシトシンは、脳の視床下部という場所で作られ、母乳を出やすくしたり分娩時に陣痛を促進したりするホルモンとして働きます。つまり出産と育児に大切な役割を演じています。しかし、オキシトシンは女性に特有の物質という訳ではありません。男性にもしっかり存在しており、『共感』や『信頼』との関連性を示唆するデータもあります。
 さらに、最近の研究では、『社会的な文脈』における学習能力にも関係していることが明らかにされつつあります。ドイツの研究者らは、健康な男性48人を対象として、学習課題におけるオキシトシンの効果について実験しています。被験者の男性半数には事前に鼻からオキシトシンを含む液体が噴霧され(オキシトシン群)、残りの半数には何も入っていない液体が噴霧されます(プラセボ群)。その後、各被験者は、3桁のランダムな数字がA、Bどちらに分類されるかを学習します。ただし、AとBどちらに属するのかはまったく規則がありません。従って最初のうちはでたらめに答えるしかなく、正答率は半分ぐらいです。しかしこれを数回繰り返すと、だんだんと数字がAとBどちらに属するかを正しく言い当てることができるようになってきます。
 実験のポイントは、被験者が答えたあとに出すフィードバックにあります。フィードバック刺激として、顔表情(正解ならにっこりとした顔、不正解なら怒った顔)を提示する場合と、色刺激(正解なら緑色、不正解なら赤色)を提示する場合を設定しました。つまり、『社会的な文脈』とそうでない状況を設定したわけです。
 実験の結果は非常に興味深いものでした。オキシトシン群とプラセボ群を比較すると、顔表情が正解不正解のフィードバック刺激として使われた場合のみオキシトシン群の学習成績がプラセボ群を上回っていたのです。この結果は、出産・育児で働く物質が、(男性の)社会的学習にも効果があったことを示唆します。まだまだ慎重に研究を進めていく必要がありますが、『物質』と『心』との間には多くの興味深い現象が存在します。」(一部改変)


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第519回『尿と便の困りごと―男でも座ってオシッコの習慣を』(2014年6月14日公開)
 お風呂での排泄行為は、比較的多く観察されます。東京ふれあい医療生協梶原診療所在宅サポートセンター長の平原佐斗司医師がその対処方法について言及しておりますので以下にご紹介しましょう。
 「認知症が重度となると、入浴時などリラックスして副交感神経が優位になることで反射的に排便してしまう場合もあります。この場合は、排便を促す座薬を使用した後、朝食をとり、朝食後30分後に便座に座ります。朝食後に起こる腸の大蠕動と座薬の作用で、自然な排便が促されます。このような方法で直腸を空にしておくと、便失禁が起こりにくくなります。」(安西順子編著:基礎から学ぶ介護シリーズ・気づいていますか─認知症ケアの落とし穴 中央法規, 東京, 2012, pp150-151)
 認知症ケアアドバイザーの五島シズさん(全国高齢者ケア協会監事、認知症介護研究・研修東京センター客員上級研究員)が2013年1月10日に来津され、第10回中勢認知症集談会において、「身近な人に認知症が始まったら」というタイトルでご講演されました。講演の際に私は、「洋式トイレに馴染めない高齢男性認知症患者さんにおいて、お風呂での排便行為が常習化した場合には、どのような対応が望ましいですか?」と質問致しました。
 五島シズさんの回答は、初めはまともなお話でしたが、とんでもない「オチ」が最後に待っておりました。その際の回答内容を私なりにまとめて以下にご紹介しますね。
 「お風呂での排便行為に対しては、便秘をコントロールし排便後に入浴させるというのが基本的な対応になります。
 その排便ですが、ソワソワし出すとか、おならが出るなど、排便前の個々のの兆候をつかみトイレに誘導する必要がありますね。
 夕方お風呂に入れるのであれば、夕方排便するために、朝のうちに下剤を飲ませるとうまく調節できるかも知れませんね。
 洋式トイレに馴染めるよう、男性においても若い頃から、座っておしっこする習慣を身につけてもらうのがよいと私は思っており、息子たちにもそう言っております。」
 なお、五島シズさんは「認知症介護相談室」(http://www.sizusoudanroom.net/)というサイトを運営されており、「何なりと認知症介護相談をお寄せ下さい」と講演の際に話されておりました。

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 排泄のサインについて興味深い記述をしている本がありますので以下にご紹介しましょう。著者は理学療法士の三好春樹さんです。
 「長い生活時間をともに過ごしている介護者、介護職には、何となく老人の気持ちがわかるのである。
 介護アドバイザーの下山名月さんがケアしていたアルツハイマー病のTさんは、いつも鼻歌をうたいながらウロウロしている。その歌が、長調から短調に変わるとおしっこだったという。ちょっと目の焦点が遠くなるとトイレを探していることがわかるGさん、歩いているコースが微妙に変わると尿意らしいNさんなど、いろいろである。
 …(中略)…
 果たして、老人はオムツ交換が屈辱なのだろうか。違う。オムツが屈辱的なのだ。70年も80年もの長い間やってきた、トイレで排泄するという当たり前の生活を、いまから断念させられることが屈辱なのだ。その上、そのオムツもなかなか替えてくれないのでは、もっと屈辱的ではないか。
 『排泄ケアに時間をとられるよりは、コミュニケーションを大事にしたい』などと書くに至っては、あきれてしまう。介護職はウンコ・シッコに関わってこそナンボだ、と私は思う。そもそも排泄ケアよりコミュニケーションのほうが価値があるという近代的人間観こそが、老人問題をつくり出し、認知症を意味のないものと見なすことになっているのである。
 食べたり、出したりといった欲求が低次元なものであり、コミュニケーションや自己実現のほうが高次の人間的欲求であるという、A・H・マズローの『欲求の階層論』に見られる人間観を、私は『関係障害論』(雲母書房)のなかで批判してきた。
 …(中略)…
 『コミュニケーション』という表現が好きなら、私たち排泄に関わる介護職こそが、それを大事にしているのだ。ことばではなくて非言語的な、意識よりは無意識の、そして老人が自分自身と行うコミュニケーションをこそ大切にしている。それは尿意、便意という、自分の身体の中からの声に耳を傾け、判断し、応えることである。」(三好春樹:認知症介護─現場からの見方と関わり方 雲母書房, 東京, 2014, pp124-127)


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第520回『尿と便の困りごと―取り繕いや不快感をなくす努力の結果が……』(2014年6月15日公開)
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学の寺田整司准教授は、「弄便の背景となる因子としては、認知障害が高度であること以外に、怒りっぽいとか介護に抵抗するなどの陰性感情や陰性行動が目立つ場合に多いこと、不眠や徘徊(continuous wandering)と合併しやすく、夜間にみられやすいことが示されている。排便との関係では、便失禁が直接的な原因であり、排便行為とその後始末がうまく行えないことで発生するとされる。便秘が主要な原因であるとする報告もあれば、むしろ下痢気味のときに起こりやすいとの指摘もある。
 背景にある認知症疾患は様々であり、特定の疾患には限定されない。機序としては、便を認識できないとか、トイレの場所がわからないなど失認による場合もあるが、何とか処理しようとしてうまくできずに汚れを広げてしまったり隠してしまう場合や、不快感を取り除こうとして触ってしまう場合が多い。」(服部英幸編集:BPSD初期対応ガイドライン ライフ・サイエンス, 東京, 2012, pp58-59)と述べております。
 そして、直ちにできる弄便に対するケアとして、寺田整司准教授は以下の実践を推奨しております。
・自分で処理しようとしていたと考えられる場合、その気持ちを評価する。
・本人が精神的に不安定な場合、混乱を助長しないよう冷静に対応する。
・便通異常がある場合、食事内容の再検討や運動の実施を考慮する。
・トイレの場所をわかりやすくする。
・トイレに行く時間を決めたり、トイレ誘導の回数を増やす。
・トイレの徴候を見逃さず、誘導などの対応を行い、見守る。
・頻回にある場合や食べてしまうなど重度の場合には、簡単には触れない工夫をする。

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