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NEWS 23─医療事故調査制度 医療の不確実性 [医療事故調査制度]

NEWS 23─医療事故調査制度

 NEWS 23にて放送(2016.3.14)されました「医療事故調査制度」に関する報道では、この制度の現状での課題がよくまとめられておりました。
 番組冒頭にて、「医療事故は制度発足(2015年10月)当時、年間1,300~2,000件あると見込まれていたのに、この5か月間(2015年10月~2016年2月)でわずか140件に留まっている」ことが報告されました。
News23-医療事故調査制度.JPG
 番組において実際の事例として紹介されました山本さんのケースは、医療事故ではなく、「医療の不確実性」の事例だと私は感じました。


P.S.
1)医療過誤(いりょうかご) malpractice:
 診療過誤ともいい,医療行為一般の誤りをさす。医学知識の不足,医療技術の未熟,診療行為の全体としての疎漏さ,不適切な薬剤や医療器具の使用などが原因となる。具体的には誤診,診断の遅延,手術過誤,注射事故,輸血事故,誤薬使用,看護の過誤などが多い。【ブリタニカ国際大百科事典】

2)医療の不確実性:
 http://medg.jp/mt/?p=2195
 医療機関で治療を受けても思ったようにうまく治らないことがおありではないでしょうか。「どうしてこんなことになってしまったのか」ご不明な点があれば、先ずは担当の医師にお尋ね下さい。現代の医療は日に日に進歩しています。マスコミなどで「こんな病気でも治る」との紹介がなされていますから、病気や怪我をしたときに「完全に元の体に戻りたい」と願うのは当然ですし、それを医療者に期待する気持ちも良く分かります。しかし現実はほとんどが「治る例がある」というだけのことが多いのです。そして残念ながら医療には不確実性と限界があって、「やってみないとわからない」ことが少なくありません。そのために「この治療をすれば良くなります、絶対安全・大丈夫です。」という約束はできないのです。このあたりは車の修理等とは大きく違うところです。
 診察や治療の瞬間瞬間では医療者は常に最善と考える方法を選択しているのですが、後から振り返ると「ああしたほうが良かった」ということが少なくありません。たとえうまくいった手術や処置であっても、さらにより良い方法がなかったのかを繰り返し検討する事によって医療は進歩してきたのです。「医療は昔から 常に試行錯誤の繰り返しであり、かつ結果を保証するものではない」のです。そして、これからもできる限りの安全を確保しながらも試行錯誤は続き、医療は進歩していくのです。
 「いくら準備や練習をしていても、必ずよい結果が出せるものではない」というのは何も特別なことではなく、たとえばアイススケートや体操の演技、オーケストラの演奏などと同じです。「瞬間の判断を迫られること・やり直しがきかないこと」は同じですが、医療の場合は「健康と生命に直結する」ということが決定的に違うのです。

 この文章は東京保険協会の雑誌「診療研究」12月号に掲載されたものです。
 【医療ガバナンス学会 (2013年12月15日 06:00)】
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