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「情報のクラウド化」  「IoT」  人工知能(AI)  IBMの開発したAI「ワトソン」 [人工知能]

AIで可能性広がる
 成長に果たす役割

 私たちは腕時計型などのウエアラブル機器を通じて、リアルタイムに脈拍など生理情報を取得できます。その情報は継続的な記録に価値がありますが、他人との比較でより深い知見が得られます。多くの人の情報を長い期間にわたって蓄積すれば知見の精度はどんどん向上します。
 また、ウエアラブル機器から得た情報を購買行動などのデータと組み合わせれば、個人の行動と健康を多面的に解析できます。個人に分散されたデータを1カ所に集めることを「情報のクラウド化」といいますが、クラウド化を通じて様々なデータの解析ニーズが生まれます。
 機械の稼働状況などの「モノ」の情報だけでなく、「ヒト」の情報も合わせてインターネットでつなげば、膨大で雑多なデータの山が生まれます。あらゆるものをネットでつなぐことを「IoT」といいます。IoTによって集められたビッグデータから様々なシミュレーションによって一定の法則性を見いだす作業が進んでいますが、その担い手は人工知能(AI)です。
 例えば、IBMの開発したAI「ワトソン」は、医学雑誌の内容と疫学情報を蓄積し、患者の診断結果を入力すると、どのような疾病の可能性が高いかを答えられるようになっています。医療過誤が許されない時代にあって、医師の判断を助ける役割をワトソンは果たしつつあるのです。
 こうしたAIの適用範囲はたくさんありそうです。教育分野では、過去の様々な教師の指導方法とその後の生徒の成績を組み合わせ、どのような生徒にいかなる指導方法を行うのが良いのかを判断することができるかもしれません。
 自らの限られた経験や知識に基づくだけではなく、過去の様々な情報の蓄積から最新の知見を人工知能から得ることで、私たちはより良い判断を下せるようになります。AIによって、これまで手の届かなかった分野で生産性を大きく向上させる可能性が見えてきます。(東京大学教授 大橋 弘)
 【2016年3月23日付日本経済新聞・経済教室―やさしい経済学・イノベーションを考える】
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