ガリヴァーの世界にみる不老長寿の願望と現実 [不老長寿]
今夜10時のNHK教育、こんな番組、NHK教育で取り上げるなんて・・。
意図が分からない・・。
朝日新聞アスパラクラブで私が書きました長寿社会への警鐘を以下にご紹介いたします。
朝日新聞アスパラクラブ「ひょっとして認知症-PartⅠ」第109回 『不老長寿は夢じゃない(1)』(2011年6月13日公開)
皆さん昨晩9時はどのTV番組を観るかすごく悩まれたのではないでしょうか。
元脳神経外科医の私としては「JIN」、子どもたちが観たいのは「マルモ」、元々の私のお気に入りは「行列」。しかし、昨晩だけはそんな迷いを捨てて、NHKスペシャルに見入ってしまいました。TV番組欄で「認知症」という文字を見かけると、ほとんど観てしまいますね。
2011年6月12日放送のNHKスペシャル「寿命は延ばせる!」(http://www.nhk.or.jp/special/onair/110612.html)においては、話題の長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」に関して報道され、認知症予防との関連についても言及されました。
「このサーチュイン遺伝子、万人が持っていますが、普段は眠っていて働きません。しかし、働かせる簡単な方法も分かってきました。」とホームページにて紹介されていましたので、放送を観る前に事前に予習してみました。
「サーチュイン遺伝子のスイッチをオンにするには、2つの方法がある。」と2010年11月20日放送の「世界一受けたい授業」の「授業復習」(http://www.ntv.co.jp/sekaju/onair/101120/03.html)に記載してありました。
「1つは、カロリーを減らすこと、2つ目は定期的に運動することです。日本人の男性が一日にとる食事のカロリーの平均は、2100kcal、女性は平均1700kcalです。これを約800kcalに抑えると、効果が出るだろうと言われています。これを続けなければならないわけではなくて、1週間に1回、10日に1回、1カ月に1回でも効果があるという研究者もいます。」
この情報がどこまで正しいのか? どこまで解明が進んだのかを勉強すべく、楽しみに夜の21時を待ちました。
ただ、NHKスペシャルを観る前の私は、1735年にイギリスの風刺作家ジョナサン・スウィフトが著した『ガリヴァー旅行記』において紹介されている寓話の一節を思い出し、長寿遺伝子が同定されても・・と懐疑的な見方をしていました。
その寓話は、東京女子医科大学東医療センターの大塚邦明教授が書かれた著書(100歳を可能にする時間医学 NTT出版, 東京, 2010)の「はじめに」において紹介されています。
「ガリヴァーは、イギリスに戻る途中、ラグナグ王国に立ち寄りました。そこに少数の不死の人間(ストラルドブラグ人)がいることを聞き、是非会ってみたいと願いました。ガリヴァーは、『自分がストラルドブラグ人のように不死であったなら、いかにも輝かしい人生を送ることができるであろう』と、心をときめかしました。しかし、ガリヴァーがそこに見たものは、思いもかけないのストラルドブラグ人の実態でした。『不老』ではないため、老齢につきまとう悲惨な姿ばかりが目についた。人間としての尊厳を保つことができず、老いさらばえたままの悲惨な生涯を送っていた。200歳を超えた一人の老人は、死ぬことができないという前途を悲観し、不機嫌で愚痴っぽく、頑固で気むずかしく、歯も欠け頭髪も抜け、忘れっぽく、味わうこともできず、ただ飲み食いをしているというばかりであった。そして、国中の人々から、疎まれ軽蔑されていた。」
長寿の悲喜こもごも
投稿者:あぽろ 投稿日時:11/06/13 15:32
私の親類には100歳を越した老人が数人います。
元気で100歳ならいいですがベッドで寝たままの百歳です。子ども達は次々親より先に亡くなったようです。
親より先に亡くなるのは親不孝と言いますが、仕方ありません。孫やひ孫の世話になっているようです。
お婆ちゃんは孫やひ孫のお嫁さんに時々体を拭いてもらっています。
もう一人のお婆ちゃんは特老に入所して居られます。
誰も尋ねて行きません。子どもも次々身体を壊して、外孫はなじみが無いので田舎へ帰っても来ません。
親類周りでは「年金が入ることが唯一の貢献」などとやっかみを言われて居たりします。
そんな方ばかりでもなく100歳を過ぎても家族の中で草みしりをしたり、花の世話をして過ごしてらっしゃる方も居ます。
長生きも人それぞれです。
Re:長寿の悲喜こもごも
投稿者:笠間 睦 投稿日時:11/06/13 16:04
あぽろさんへ
コメント拝見しました。
私も、昨晩のNHKスペシャルを観るまでは、「ストラルドブラグ人のような悲惨な超高齢社会」をイメージしておりましたので、あぽろさんの抱く感覚と同じように感じていました。
しかし、昨日の放送は、長寿だけではなく老化の防止にも貢献するという話でありました。
昨年から今年にかけて、健康な百寿者を多く拝見してきました。代表的な方は、シリーズ第45回『日野原先生の講演を聴いてきた』でご紹介しましたね。
意図が分からない・・。
朝日新聞アスパラクラブで私が書きました長寿社会への警鐘を以下にご紹介いたします。
朝日新聞アスパラクラブ「ひょっとして認知症-PartⅠ」第109回 『不老長寿は夢じゃない(1)』(2011年6月13日公開)
皆さん昨晩9時はどのTV番組を観るかすごく悩まれたのではないでしょうか。
元脳神経外科医の私としては「JIN」、子どもたちが観たいのは「マルモ」、元々の私のお気に入りは「行列」。しかし、昨晩だけはそんな迷いを捨てて、NHKスペシャルに見入ってしまいました。TV番組欄で「認知症」という文字を見かけると、ほとんど観てしまいますね。
2011年6月12日放送のNHKスペシャル「寿命は延ばせる!」(http://www.nhk.or.jp/special/onair/110612.html)においては、話題の長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」に関して報道され、認知症予防との関連についても言及されました。
「このサーチュイン遺伝子、万人が持っていますが、普段は眠っていて働きません。しかし、働かせる簡単な方法も分かってきました。」とホームページにて紹介されていましたので、放送を観る前に事前に予習してみました。
「サーチュイン遺伝子のスイッチをオンにするには、2つの方法がある。」と2010年11月20日放送の「世界一受けたい授業」の「授業復習」(http://www.ntv.co.jp/sekaju/onair/101120/03.html)に記載してありました。
「1つは、カロリーを減らすこと、2つ目は定期的に運動することです。日本人の男性が一日にとる食事のカロリーの平均は、2100kcal、女性は平均1700kcalです。これを約800kcalに抑えると、効果が出るだろうと言われています。これを続けなければならないわけではなくて、1週間に1回、10日に1回、1カ月に1回でも効果があるという研究者もいます。」
この情報がどこまで正しいのか? どこまで解明が進んだのかを勉強すべく、楽しみに夜の21時を待ちました。
ただ、NHKスペシャルを観る前の私は、1735年にイギリスの風刺作家ジョナサン・スウィフトが著した『ガリヴァー旅行記』において紹介されている寓話の一節を思い出し、長寿遺伝子が同定されても・・と懐疑的な見方をしていました。
その寓話は、東京女子医科大学東医療センターの大塚邦明教授が書かれた著書(100歳を可能にする時間医学 NTT出版, 東京, 2010)の「はじめに」において紹介されています。
「ガリヴァーは、イギリスに戻る途中、ラグナグ王国に立ち寄りました。そこに少数の不死の人間(ストラルドブラグ人)がいることを聞き、是非会ってみたいと願いました。ガリヴァーは、『自分がストラルドブラグ人のように不死であったなら、いかにも輝かしい人生を送ることができるであろう』と、心をときめかしました。しかし、ガリヴァーがそこに見たものは、思いもかけないのストラルドブラグ人の実態でした。『不老』ではないため、老齢につきまとう悲惨な姿ばかりが目についた。人間としての尊厳を保つことができず、老いさらばえたままの悲惨な生涯を送っていた。200歳を超えた一人の老人は、死ぬことができないという前途を悲観し、不機嫌で愚痴っぽく、頑固で気むずかしく、歯も欠け頭髪も抜け、忘れっぽく、味わうこともできず、ただ飲み食いをしているというばかりであった。そして、国中の人々から、疎まれ軽蔑されていた。」
長寿の悲喜こもごも
投稿者:あぽろ 投稿日時:11/06/13 15:32
私の親類には100歳を越した老人が数人います。
元気で100歳ならいいですがベッドで寝たままの百歳です。子ども達は次々親より先に亡くなったようです。
親より先に亡くなるのは親不孝と言いますが、仕方ありません。孫やひ孫の世話になっているようです。
お婆ちゃんは孫やひ孫のお嫁さんに時々体を拭いてもらっています。
もう一人のお婆ちゃんは特老に入所して居られます。
誰も尋ねて行きません。子どもも次々身体を壊して、外孫はなじみが無いので田舎へ帰っても来ません。
親類周りでは「年金が入ることが唯一の貢献」などとやっかみを言われて居たりします。
そんな方ばかりでもなく100歳を過ぎても家族の中で草みしりをしたり、花の世話をして過ごしてらっしゃる方も居ます。
長生きも人それぞれです。
Re:長寿の悲喜こもごも
投稿者:笠間 睦 投稿日時:11/06/13 16:04
あぽろさんへ
コメント拝見しました。
私も、昨晩のNHKスペシャルを観るまでは、「ストラルドブラグ人のような悲惨な超高齢社会」をイメージしておりましたので、あぽろさんの抱く感覚と同じように感じていました。
しかし、昨日の放送は、長寿だけではなく老化の防止にも貢献するという話でありました。
昨年から今年にかけて、健康な百寿者を多く拝見してきました。代表的な方は、シリーズ第45回『日野原先生の講演を聴いてきた』でご紹介しましたね。
2016-04-08 06:28
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