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アメリカ国立衛生研究所(NIH)─認知症予防法 味付けが変わる [アルツハイマー病]

朝日新聞アスパラクラブ「ひょっとして認知症-PartⅠ」第9回『認知症に4つの危険因子』(2010年11月9日公開)
 第29回日本認知症学会学術集会が、名古屋駅に近い「ウインクあいち」で、2010年11月5日から7日まで開催されました。
 私も、5日と6日の2日間参加しました。

 会長講演(柳澤勝彦先生)においては、認知機能が終生保たれる高齢者の病理学的な特徴が報告されました。
 アルツハイマー病を発症した高学歴の患者さんでは、しばしば高度の病理学的所見が確認される(=病変が高度になるまで、アルツハイマー病を発症しない)ことから、教育によって脳の予備能力を高めておくことが重要性であると述べられました。
 そして、幼児期に脳を鍛えることが、認知症予防に繋がる可能性に関しても、示唆されました。
 
 今回のシンポジウムの目玉の一つが、「EBMに基づいた認知症予防」であり、荒井啓行先生、植木彰先生、朝田隆先生、目黒謙一先生、山田達夫先生がシンポジストとして講演されました。

 体重減少は認知症発症の2~4年前から始まり、進行とともに明らかになる傾向があるそうです。特に、女性ではその傾向が目立つようです。

 今のところ、サプリメントでアルツハイマー病予防に有効なものはないそうです。しかし、地中海式食事(魚、野菜・果物、穀類、線維食品、ワインを中心とした食事)は、アルツハイマー病予防という観点から注目されております。ただし、日本人は欧米人に比して魚の摂取量がはるかに多く、乳製品や肉の摂取量がはるかに少ないため、誤って高齢者に乳製品や肉の摂取を極端に制限しないように指導することが重要であると報告されました。

 ごく最近、アメリカ国立衛生研究所(NIH)から、「認知症予防法」が発表されたことが報告されました。

 下記に、今回発表された「認知症予防法」を列記します。
  1 運動の習慣
  2 果実と野菜の多い健康的な食事
  3 人と付き合う、知的刺激を受ける
  4 2型糖尿病の治療
  5 高血圧症と脂質異常症の治療
  6 適正体重の維持
  7 禁煙

 「精神的不活発」「身体的不活発」「頭部外傷」「歯の喪失」の4つの危険因子が重なると、アルツハイマー病の危険度は、934.5倍となるというデータも紹介されました。

 講演を聴いていまして、疑問に感じた部分がありましたので質問してきました。

質問
 「味付けが変わる」という症状は、家族が気づくアルツハイマー病の初期症状として多々見受けられる症状の一つであり私も注目しています。これは、「調味料の分量の記憶障害」による症状なのか、あるいは「味覚障害」として起きている症状なのか機序は解明されているのでしょうか?
回答
 時間がなかったので講演では触れませんでしたが、ちょうど今それに関する研究を、耳鼻咽喉科と共同で実施している最中です。
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