SSブログ

“かぜ”をこじらせないために [医療]

教科書では分からない高齢者診療のコツとヒント-第6回・高齢者の“かぜ”をあまく見てはいけない

「“かぜ”をひいた」と来院した高齢者とは
 高齢者に限らず,一般の医療機関において新たな健康問題を有する(初診)患者として診療する機会が最も多いのは,「“かぜ”をひいた」と来院する患者であると考えられます。そのほとんどはウイルス感染症としての「かぜ症候群」(普通感冒,急性上気道炎)ですが,時に「かぜ症候群」以外であることもあります。さらに,“かぜ”をひいた高齢者の中には,めったに医療機関を訪れない,普段は元気な方も含まれています。本稿では「“かぜ”をひいた」と来院した高齢者をどう診るかについて考えます。
 …(中略)…

“かぜ”をこじらせないために
高齢者のかぜ診療のポイント.jpg
 かぜ症候群の原因のほとんどはウイルスであり通常は自然治癒するので,経過中に“こじらせないようにすること”が肝要です。これには,合併症の早期発見と,“裏目に出ない”介入を行うことに尽きます。
 経過中に合併症,特に肺炎を合併してるか否かを注意深く判断しなければなりません。高齢者では,発熱の遷延や呼吸器症状の悪化はもちろん,食欲の低下,“元気がない”などが肺炎と診断する契機となることがしばしばあります。肺炎の診断は,抗菌薬を使用するか否かや入院適応とも強く関連するためとても重要となります。
 また,“裏目に出ない”介入を行うためには,余計な薬剤を処方しないように留意することが重要です。高齢者は,ただでさえポリファーマシーであることが多いため,必要最低限の処方とします。かぜ薬では,眠気などの副作用が生じることもあるので,総合感冒薬は避け,単剤で短期間の投与としますそもそも,かぜ症候群に対して有効性が明らかな対症療法は限られており,患者にとって不快な自覚症状に対してのみ処方し,その点を患者に説明すべきでしょう。当初は薬の処方を希望していても,説明により対症療法すら希望しなくなる患者も一定数はいるものです。
 薬剤の副作用では,高齢者では抗菌薬で実際に偽膜性腸炎などを生じることがあり,適応を十分に吟味して処方すべきでしょう。現実には「“抗生物質”を出してください」など患者や家族から求められることがありますが,抗菌薬が本症に対する原因療法であると誤解していることもあるので,よく説明した上で,患者の受診理由や薬剤に対する価値観も踏まえ対応します。そして,抗菌薬の適応があると判断すれば十分量を処方すべきであると思います。
 高齢者で最も必要なのは,適切な一般療法・生活指導を行うことでしょう。その点,医師が特に留意すべきなのは、絶対安静,入浴不可など明確な根拠のない一般療法を強く指導しないことです。かぜで寝込んでから,あるいはかぜでデイサービスを休んだ後,かぜは治まったのに日常生活動作(ADL)が低下したという患者をしばしば経験します。医師には、高齢者がかぜをひいても、できるだけ通常の生活を続けられるようにするための,適切な一般療法・生活指導が求められます。この際,集団防衛の観点として,手洗いや必要に応じたマスクの使用についての慎重な判断も求められるでしょう。
 【木村琢磨:教科書では分からない高齢者診療のコツとヒント-第6回・高齢者の“かぜ”をあまく見てはいけない. Medical Tribune 2016.4.7 p13】


私の感想
 表「高齢者のかぜ診療のポイント」において、「かぜをこじらせない配慮」として、「不必要な薬剤を処方しない」という項目が挙げられていることに注目したいと思います。
 「安易な抗菌薬の処方」は長年にわたり警鐘が鳴らされてきましたが、皆さん心配が先に立ち、良くなると「早めに服薬したので早く治った・・」などと思い込み・・ということが繰り返されてきました。
 かぜ症候群の原因のほとんどはウイルスであり、抗菌薬は無効であり、通常は自然治癒する!ということをもう一度、しっかりと脳裏に刻み込んで下さいね。

P.S.
 風邪の際に「ロキソニン」と「クラビット」を平気で同時に処方する医師がけっこう居ます。かなり有名な「併用注意」なんですが知らないのですかね・・。
 http://www.fizz-di.jp/archives/1029337922.html
 https://medqa.m3.com/doctor/showMessageDetail.do
 まあ知ってって「注意喚起」して処方することはあるかも知れません。と言うか私自身、知ってて、ロキソニンとクラビットをウイスキーで飲んだりしています。最悪のパターンですが私の場合は平気です! でも皆さんはやめて下さいね!
 そもそも風邪に対して抗菌薬は(基本的には)不要であることを理解して下さいね。正しい医学知識を少しでも身につけることに、微力ながらこのサイトが役割を果たすことができれば幸いです。
nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 1

JanJosaup

KamagraРІВ® <a href=http://cialibuy.com/#>safe place to buy cialis online</a> Buy Amoxicillin No Prescription <a href=http://cialibuy.com/#>buy cialis online without a prescription</a> Propecia Generic United States
by JanJosaup (2020-03-31 18:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。