SSブログ

世帯分離 [日々想々]

「両親を離婚させるしか…」 介護費倍増、揺らぐ中流【朝日新聞デジタル 6月19日(日)18時41分配信】
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160619-00000026-asahi-soci

 特養からの請求額が昨夏以降、はね上がった。食費や部屋代に介護保険の自己負担分なども含め、月約8万円から約17万円に倍増。両親の年金は月約28万円だが、実家の借地料は月8万円近く、一人暮らしをする父(75)の医療費や社会保険料の負担も重い。男性は毎月4万円の仕送りを始めたが、なお足りない。
 負担が増えたのは、介護保険制度の改正で昨年8月から施設の食費・居住費の補助(補足給付)を受けられる条件が厳しくなったため。母は特養の住所で住民票登録をしており、実家の父と「世帯分離」をしている。これまで非課税世帯とみなされた母は補助を受けられていたが、制度改正によって世帯が別でも配偶者が住民税の課税世帯なら補助の対象外になった。

 「世帯分離」制度の活用にメスが入っていたことを私は今まで知りませんでした。
 まあ本来の姿に戻ったというべきなのでしょうか?
 でも、それがために“晩年離婚”となるとあまりにも寂しい現実ですよね。

朝日新聞アスパラクラブ「ひょっとして認知症-PartⅠ」第316回『■介護者は我慢するしかないのか(その3) 介護に困ったらケアマネジャー』(2012年2月2日公開)
 まだまだ認知症専門医数は少なく、一人一人の専門医が抱える患者数は多く、診療面で負担となっているのが事実です。私も、入院患者さん(約50名)を診療しながら「もの忘れ外来」を担っておりますので、なかなか多忙です。だからといっていきなり「かかりつけ医」に戻していたら、認知症診療に精通したかかりつけ医ならともかく、そうでなかったら家族は不安を抱え込んでしまいます。適切な介護指導をし、認知症に伴う行動障害と精神症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD シリーズ第10回・35回参照)がそこそこコントロールできた時点でかかりつけ医に戻すのが望ましいと私は考えています。

 認知症の人を在宅で介護していく際には、多くの困難があります。介護者は、介護保険の仕組みをある程度理解し、上手に活用していくことも時に必要となってきます。
 介護で困ったときに身近な存在で何かと相談しやすいのは、介護支援専門員(通称:ケアマネジャー)ではないでしょうか。

 理学療法士・介護福祉士・介護支援専門員の資格を持つ岡田慎一郎氏は、著書において介護保険制度の仕組みについても言及しております(岡田慎一郎:家族のための介護入門─負担を減らす制度と技術 PHP新書, 東京, 2010, p26,p49,p63)。
 「介護とお金の問題は切っても切り離せません。介護保険は一割負担ですので、最も介護度の高い、要介護5のサービスを限度額いっぱいに使っても、自己負担は1カ月3万数千円です。実際には、介護保険サービスそのものは限度額内で利用している方が多く、この部分だけ見ると、介護にかかるお金は介護保険の創設によって、ずいぶん軽減されているように感じられます。
 しかし、実は介護保険以外にかかるお金がかなりあるのです。介護施設に入所すれば、食費や居住費など介護保険ではまかなえない部分がありますし、在宅介護でデイサービス(通所介護)などを利用するにしても、食費、オムツ、日用品、レクリエーション代などの負担が必要です。」
 「在宅介護の場合、要介護度3以上の判定であれば、支給限度額の範囲内で毎日、訪問介護サービスを利用することは可能といえます。30分~1時間の訪問介護を毎日使ったとすると、自己負担額はおよそ12,000円です。」
 「緊急に介護の必要性が生じた場合、申請前や認定前でもサービス事業者を利用したいことがあるでしょう。緊急またはやむを得ない理由によって事前に利用した分については、申請前の分も支給対象になります。サービス利用料の支払い時には全額自己負担しなければなりませんが、認定後に申請にすれば、その費用の9割分が市区町村から支給されます。ただし、認定結果が出る前に利用したサービスの料金が、認定結果の上限金額以上なった場合、超えた分は自己負担になるので注意が必要です。」(一部改変)
 種々の通所介護・施設介護の紹介、各施設・サービスの利用料金の目安なども記載されており、これから介護保険制度の概要を勉強しようという方にはうってつけの本だと思います。
 なお施設によっては、費用負担に困窮している利用者を見るに見かねて「世帯分離」という方法を勧めてくれる場合もあります。大いに議論が分かれる手法ですが、制度の詳細を知りたい方は、産経新聞ウェブサイトの世帯分離・上(http://www.sankei.co.jp/yuyulife/sonota/200706/snt070604002.htm)、世帯分離・中(http://www.sankei.co.jp/yuyulife/sonota/200706/snt070605001.htm)、世帯分離・下(http://www.sankei.co.jp/yuyulife/sonota/200706/snt070606003.htm)において概要を知ることができます。産経新聞・ゆうゆうLifeにおいて2007年6月4日~6日報道されたものです。

 以上述べたような情報は、ケアマネジャーに相談するとその時々の状況に応じていろいろアドバイスをしてもらえます。まずは担当のケアマネジャーの方に相談してみるのがよいと思います。
 もしケアマネジャーに相談しにくい内容でしたら、高齢者総合相談センター(シルバー110番)に問い合わせてみるのも一つの方法かも知れません。高齢者総合相談センターでは、高齢者やその家族が抱える高齢者福祉、介護保険、医療などの心配事、悩みごとに対する総合的な相談に応じています。ほぼ各都道府県に1カ所ずつ設置されており、設置がないところには、「シルバー110番」に代わるものがあります。相談方法は電話相談、面談などで費用は一切かかりません。プッシュホン回線の電話では、局番なしの♯8080を押すと、無料でつながるようになっています。
 鹿児島県(http://www.kaken-shakyo.jp/e/e-1.html)や山梨県(http://www.nenrin.or.jp/yamanashi/)では、シルバー110番に寄せられた相談事例がQ&A形式で紹介されています。


ケアマネジャーさんに「感謝」
投稿者:イートントン 投稿日時:12/02/02 18:15
 介護において、私の母は、認知症の度合いは低いのですが、身体的・家庭的事情が主でした。
 在宅・病院・通所・老健・入所と、お決まり?のコースをたどりました。
 その時々に、ケアマネジャーさんには、たいへんお世話になりました。「感謝」の一言です。みなさんも、困っていること等は、何でも、相談することを、お勧めします。

感謝・感謝ですよね!
投稿者:笠間 睦 投稿日時:12/02/02 19:31
イートントンさんへ
 良いケアマネさんに巡り合えて良かったですね。
 ケアマネさんには私もいつも感謝感謝です。

 ある意味、良いケアマネさんに巡り会えるかどうかも「運」だのみですよね。
 しかし、「運任せ」では不安ですよね。

 シリーズ第155回『認知症サポーター 認知症介護者の心情変化(2) 辛いときほど適切な指示』においてご紹介しましたように、かつて認知症の人と家族の会・三重県支部では、「認知症の方と家族に寄り添えるケアマネジャーのリスト」(「ぽーれぽーれ」通巻313号付録 2006.8.25発行)という資料を作成しました。
 すごく良い試みでしたのに、何故か全国に拡がりませんでしたね。その理由は、私にはよく分かりません。


>「認知症の方と家族に寄り添えるケアマネジャーのリスト」
投稿者:梨木 投稿日時:12/02/02 23:11
 三重県にはそんな凄い裏リストがあったんですね。そしてそれは普及しなかったと。そういえば世間に「名医」や「名病院」のランク本は沢山出てますが、名看護師とか名ケアマネジャーの本はないですものね。すばらしいアイデアだったのに残念!
 私の推測では、拡がらなかった理由の一つは評価の難しさと、それに伴い評価の信頼性が低く見られたからでは、と思います。
 ケアマネが思う「良いケアマネ」と利用者様・介護者様の求める「良いケアマネ」の像の統合は、時に難しかったですから。
 でもとても面白い実践だったと思うので、そのリストを活用されてどんなことが現実に起きたか、とても知りたいです。


Re:>「認知症の方と家族に寄り添えるケアマネのリスト」
投稿者:笠間 睦 投稿日時:12/02/03 05:14
梨木さんへ

> リストを活用されてどんなことが現実に起きたか

 「認知症の人と家族の会・三重県支部」の会員しか、「認知症の方と家族に寄り添えるケアマネジャーのリスト」(「ぽーれぽーれ」通巻313号付録 2006.8.25発行)という資料を目にしていませんから、一番資料が必要な介護保険を導入して間もない介護者(=当然まだ「認知症の人と家族の会」の会員ではない)が目にすることは少なかったのでしょうね。
 まあ私は個別に「新規の介護者」の方で必要な方には資料を紹介しておりましたが・・。

 という状況ですから、ほとんど活用されなかったのが実情ではなかったのかなと推測しております。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。