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ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS) [MELAS]

ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS)の高次脳機能障害

要約
 ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群の脳卒中様病変は側頭,頭頂,後頭葉に生じることが多く,この病変分布と関連した高次脳機能障害がしばしばみられ,皮質盲をはじめ,各種の失認や失語症などが報告されている。一方,このような局所性脳病変によるもの以外に,全般性脳障害に起因するミトコンドリア認知症という病態も提唱されており,遂行機能障害をはじめとする高次脳機能障害が報告されている。

はじめに
 ミトコンドリアはエネルギーを産生する細胞内小器官であり,骨格筋や中枢神経組織はミトコンドリアエネルギーに最も依存しているため,ミトコンドリア病では骨格筋や中枢神経の障害をきたしやすい。
 ミトコンドリア病の代表的な病型としては,本稿で扱うミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(mitochondrial encephalo-myopathy,lactic acidosis and stroke-like episodes:MELAS)のほか, …(中略)…
 この中でも最も多い病型は,頭痛,てんかん,および脳卒中様発作を臨床的特徴とするMELASである。
 MELASにおける脳卒中様発作は一般の脳血管障害とは異なる特徴を有するが,大脳皮質を中心とした局所性脳病変が出現することにより,種々の高次脳機能障害を呈し得る。一方,脳卒中様発作とは異なる病態に基づく変性過程によるものとして,より全般性の脳障害に起因する高次脳機能障害についても報告されており,ミトコンドリア認知症という概念として捉える立場もある。ここでは,MELASの脳卒中様発作による局所性脳病変に起因する高次脳機能障害と,全般性脳障害に起因する高次脳機能障害とに分けて論じることにする。

Ⅰ. 脳卒中様発作による局所性脳病変に起因する高次脳機能障害
1. 脳卒中様発作の特徴
 MELASに特徴的な神経症候は,片頭痛発作類似の悪心,嘔吐を伴う頭痛発作,繰り返すてんかん発作,および脳卒中様発作である。
 …(中略)…
 中核症状である脳卒中様発作の病態はいまだ不明な点も多いが,その出現頻度は84~99%とされる。MELASによる脳卒中様発作における脳病変の特徴は,血管支配領域とは一致しない大脳皮質を中心とする浮腫性病変であり,出現する局所性脳病変によりさまざまな高次脳機能障害が起こり得る。しかし,一般の脳血管障害とは異なり,MELASの脳卒中様発作における初期病変は,しばしば数週間かけて周辺皮質に連続的に進展するほか,てんかん発作を伴うことも多い。また,病巣の消退を伴う神経症候の改善をみることが多い点も一般の脳血管障害の臨床経過とは異なっている。さらには,しばしば脳卒中様発作を繰り返しながら,高次脳機能障害は段階的に増悪する。
 …(中略)…
 このような背景のためか,MELASの脳卒中様発作における高次脳機能障害に関する系統的な研究報告は見当たらない。一方,MELASの脳卒中様発作における病巣分布パターンとしては,側頭,頭頂,後頭葉に生じることが多いことが知られている。
 …(中略)…

2.視覚性の高次脳機能障害
 高次脳機能障害としてしばしばみられるのは,後頭葉の病変に起因する視覚に関連した症候であり,両側の後頭葉から視放線の病変による皮質盲の頻度が高いことが総説や症例集積研究において記されている。

3. 言語障害

4. その他の症候
 …(中略)…
 「視線を動かしても一度みた映像が持続してみえる」という視覚性保続や,「みえないはずの位置に実際の映像がみえる」といった視覚性知覚転位などの特異な症候が経過中の一時点において観察され,症候出現の背景としてはてんかん性の病態の関与も想定された。
 …(中略)…

Ⅱ. 全般性脳障害に起因する高次脳機能障害(ミトコンドリア認知症)
 MELASでは認知症と呼べる状態に陥る頻度は40~90%と高いとされているが,脳卒中様発作による局所性脳病変の蓄積が少なからず関与しているものと推測される。
 (以下省略)
 【市川博雄:ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS)の高次脳機能障害. BRAIN and NERVE vol.68 151-157 2016】

私の感想
 ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS)って聞き慣れない病名です(少なくとも私は経験がありません)が、見方によっては、レビー小体型認知症とよく似た状態を起こしますよね。
 ですから、レビー小体型認知症(DLB)の鑑別診断として念頭に置くべきかも知れません。ただし、DLBは高齢発症であるのに対して、MELASの報告例は比較的若年発症のケースが多いようですから、鑑別診断として考える必要はなさそうですね。
 市川博雄先生の所属は、昭和大学藤が丘病院(横浜市)の脳神経内科となっております。

PINK1蛋白とミトコンドリア [パーキンソン病]

PINK1蛋白とミトコンドリア

 PINK1遺伝子は2004年に3番目の常染色体劣性遺伝型パーキンソン病(PD)の原因遺伝子として同定された.PINK1蛋白はミトコンドリアに局在するリン酸化酵素と考えられ,おもに分子生物学・細胞生物学的手法によりPINK1蛋白に関する機能解析が行われてきた.本蛋白の機能低下によるミトコンドリアの呼吸機能障害,ミトコンドリアのカルシウム(Ca)ホメオスタシスの異常,ミトコンドリアを含む酸化ストレス上昇などが報告されている.近年では,PINK1とミトコンドリアダイナミクスとの関連や,ミトコンドリア内膜電位維持との関係が指摘されている.さらに,別の劣性遺伝型PD遺伝子産物Parkinと協調し,不要となったミトコンドリアのautophagyによる処理(mitophagy)に関与している可能性も報告されている.したがって,PINK1遺伝子はPDとミトコンドリアという観点から注目されている.本稿ではこの約10年間の研究の流れを概説し,主だった仮説を紹介する.
 【北田 徹:PINK1蛋白とミトコンドリア. 医学のあゆみ vol.247 1031-1037 2013】

私の感想
 難しすぎてコメント不可です。
 詳細は↓
 https://www.ishiyaku.co.jp/magazines/ayumi/AyumiArticleDetail.aspx?BC=924710&AC=13365

AD患者さんにおける感覚器の障害 [アルツハイマー病]

AD患者さんにおける感覚器の障害

 周辺視野の問題があって、運転中の事故を起こしやすくなることが指摘されています。

朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第9回『認知症の中核症状に関する理解を深めましょう─視空間機能障害』(2012年12月20日公開)
 3番目は視空間機能障害です。従来の基準で、「失認」・「失行」とされた所見が視空間機能障害としてまとめられました。
 地理的障害(地誌的見当識障害)には街並失認(視覚性失認の一型)と道順障害(視空間失認の一型)があります。街並失認とは、街並(建物・風景)の同定障害であり、周囲の風景が道をたどるうえでの目印にならないために道に迷ってしまいます。
 自宅付近で道に迷うアルツハイマー病患者の病態としては、少なくとも初期には「道順障害」的な要素が大きいようです(高橋伸佳:街を歩く神経心理学 医学書院, 東京, 2009, pp152-153)。
 失認のある患者さんにおいては、お風呂の入り口に床の色と違うバスマットが敷いてあると、バスマットの部分が谷底のように見えてしまい、患者さんは「落ちてしまう」と感じ、渡れない(足が踏み出せない)と訴える現象が出現することもあります。このような症状を呈した場合には、バスマットをどける(谷底をなくす)か、床の色と同じ色のバスマットにするなどの対応が効果的です。
 また、視空間機能障害が出現してくると、車庫入れで車を擦ってしまうなどの影響も出てきます。
 失行とは、運動障害はなく、手や足が動くのに、まとまった動作や行為ができないことです。挨拶ができないとか、箸などの道具が使えない(箸を渡しても食事を摂取する動作ができない)、使い慣れた電化製品の使用がわからない、図形がうまく書けないなどの不都合が生じます。そのため、日常生活にも差し障りが出てきます。
 1995年に46歳で若年性認知症と診断されたクリスティーンさんは、視空間機能障害に絡んで以下のように語っています(一部改変)。
 「世界はグラグラした場所に感じられ、その空間の中で自分の体の各部分がどこにあるのかがわかりづらくなる
 液体の入ったコップをこぼさずに持つには大変な努力がいる。コップを見て、自分の体を見て、体がどうなっているか注意しなければならない…。こんな一見単純な作業にも、無数の動作と反応がある。私にとって、飲み物を運ぶのは相当難しい仕事になってしまった。私の体の各部分はどこにあるのか? コップはどこか? どうして注意して見ていないと中の液体がピチャピチャ跳ねるのか? どうしてテーブルの向こうへ運ぶ途中で突然物にぶつかってしまうのか? どうして手を伸ばすと物をひっくり返してシミをつくってしまうのか?
 それはちょうど競馬馬の目隠しをつけてトンネルをのぞいているような感じだ。周辺視野は狭くなり、まわりではっきりとした動きがあると、私はすぐにビクッと驚いてしまい、それまでの行動をじゃまされてしまう。まるでウインカーが点滅し続けているみたいだ。鏡の前を通ると、部屋の中に自分と一緒に知らない人がいると思って、跳び上がってしまうこともあるほどだ!
 台所や浴室では、よく物をひっくり返す。距離の判断を間違えて、物にぶつかってしまうのだ。模様に惑わされることもある。表面が滑らかでも模様のある床を歩くと、つまづいてしまうことがある。」(クリスティーン・ブライデン:私は私になっていく─痴呆とダンスを 馬籠久美子・桧垣陽子訳, クリエイツかもがわ, 2004, pp132-133)
 「私たちの不安が増大するひとつの理由は、道がわからない、自分が今いるところがわからないということだ。頭の中の地図をなくしたか、そうでなくとも、地図と自分の周囲の現実とが結びつかなくなってしまったようになる。だから自分の家のまわりの見慣れたところでない限り、誰かに道を案内してもらわなければならない。
 2000年5月、私はカウンセリング学位コースの一環として、バサーストの大学の寮にひとりで行った。それはまさに悪夢だった。寮からわずか50メートルほどしか離れていない学生食堂や講義室へ行く道がわからないのだ。とにかく見覚えのある顔(もちろん「名前」ではない─名前なんてまったくわからなかったのだから)の人のあとについて行くしかなかった。ケアパートナーの案内なしに、ひとりで知らないところへ行こうとしたのは、あの時が最後になった。」(クリスティーン・ブライデン:私は私になっていく─痴呆とダンスを 馬籠久美子・桧垣陽子訳, クリエイツかもがわ, 2004, p152)

朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第138回『認知症のケア どうしたらもっとうまく意思疎通できるのか』(2013年5月12日公開)
 クリスティーンさんは、ゴールドスミスの本に記載されている記述(Goldsmith M:Hearing the voice of people with dementia, Jessica Kingsley Publishers, London, 1996, pp58-59)を引用し、どうすれば認知症のある人たちともっとうまく意思疎通できるかを紹介しています(クリスティーン・ブライデン:私は私になっていく─痴呆とダンスを 馬籠久美子・桧垣陽子訳, クリエイツかもがわ, 2004, pp190-191)。以下に列記致します。
・ゆったりした環境をつくる。
・穏やかな、自信に満ちた、気さくな態度をとる。
・その人の視野の内に入り、同じ目の高さで目を合わせたまま、名前を言う。
・その人がいやがらない範囲内で身体にふれる。
・簡単な言葉でゆっくりと、敬意をもって話す。
・理解する時間を与える。
・聞き上手になって、言葉がつかえてもじっと待ち、言葉の裏にある意味を察する。
・あいまいな言い方を避け、短い文章を使う。
・できれば写真などを使って、言っていることを具体的に説明する。
・話について行くように努力し、言い間違いを直したり、不適切な返答を笑ったりしない。
・よくできた時はほめる。
・感情をむきだしにされても、あわてない。

 「その人の視野の内に入り、同じ目の高さで目を合わせたまま、名前を言う」という事項に関連して、アルツハイマー病(AD)患者さんにおける視野についての興味深い記述をご紹介しておきましょう。
 「ADで、どのような感覚器の障害が起こるかは十分明らかにはなっていませんが、一般的には、視覚、ついで聴覚などの系統発生学的に新しい感覚器の機能から低下すると考えられています。
 人間は、外界の情報を得るために80%以上を視覚に頼って生活している生き物だといわれており、認知症が進行すると、視覚の障害に配慮する必要があります。
 人間の視野は上下150度、左右200度の範囲に及びますが、私たちは物を注視するとき、網膜の黄斑部のなかにある直径1.85mmの中心窩でほとんどの情報を得ています。この視神経が集中している中心窩を用いて、多くの情報が得られるのは、視野の中心から5度の視野の範囲だといわれています。視野の中心から10度になると情報量は5分の1に、20度に広がると情報量は10分の1にまで低下します。
 進行した認知症の方では、なおさら視野の真ん中に必要な情報がないと感知することができません。常にその人の正面に必要な情報が来るように留意します。本人の身体介護の場面でも、真正面から声掛けをしながら近づかなければなりません。」(平原佐斗司編著:認知症ステージアプローチ入門─早期診断、BPSDの対応から緩和ケアまで 中央法規, 東京, 2013, p28)

朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第231回『注目される自動車運転の問題─視野が次第に狭くなる』(2013年8月18日公開)
 『アルツハイマーのための新しいケア─語られなかった言葉を探して』(阿保順子監訳 誠信書房 2007)を読みますと、著者のジョアン・コーニグ・コステさんと夫(40歳代で発症し、1976年死去)の「認知症の世界への旅立ちは、サポートグループもなければマニュアルや指標一つなかった1971年に始まった」(同書p4)と書かれています。全米アルツハイマー病協会が設立(1980年)される約10年も前のことです。
 指南書の類が全くなかった時代に、細やかな観察力から「ハビリテーションの五つの鍵」を独自に考案し実践した行動力は本当に驚きです。
 「五つの鍵」の4番目である「患者の世界に生きる」とはどういうことでしょうか。「言い返したり叱咤せず、患者の視点で物事をみる。患者の今いる『場所』と『時』を共有し、そのなかでお互いに喜びを見いだす」(同書p9)ことです。多くの介護本が広く出回っている今日でさえ、介護者が「叱らない介護」に到達するまでには長い年月を要する現状を思えば、ジョアンさんの感性の鋭さは容易に窺い知ることができますね。

 シリーズ第138回『認知症のケア どうしたらもっとうまく意思疎通できるのか』(http://apital.asahi.com/article/kasama/2013050200010.html)においてご紹介しましたように、人間の視野は上下150度、左右200度の範囲に及びますが、私たちは物を注視するとき、網膜の黄斑部のなかにある直径1.85mmの中心窩でほとんどの情報を得ています。この視神経が集中している中心窩を用いて、多くの情報が得られるのは、視野の中心から5度の視野の範囲だといわれています。視野の中心から10度になると情報量は5分の1に、20度に広がると情報量は10分の1にまで低下します。進行した認知症の方では、なおさら視野の真ん中に必要な情報がないと感知することができない(平原佐斗司編著:認知症ステージアプローチ入門─早期診断、BPSDの対応から緩和ケアまで 中央法規, 東京, 2013, p28)のでしたね。
 運転能力に特に大きく関与するのが「有効視野」とされています。「自動車運転の場合に限らず、視覚認知は周辺視によって次の注視すべき対象を検出した後、それを中心視で詳しく確認し、また次の対象物を検出するという作業の繰り返しである。この周辺視のうち、認知に寄与する部分が有効視野に該当する。有効視野という概念はMackworthにより、『ある視覚課題の遂行中に、注視点の周りで情報が瞬間的に蓄えられ、読み出される部分』と定義されている。視力、視野、コントラスト感度、有効視野、認知機能などと事故との関連を検討した結果、交通事故を予測する上で最も予測力が高いものは有効視野であった。」(一部改変)と報告されています(藤田佳男:有効視野を用いた運転能力評価法について教えてください. Geriatric Medicine Vol.50 179-181 2012)。

朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第232回『注目される自動車運転の問題─競馬馬の目隠しをつけてトンネルをのぞく感じ』(2013年8月19日公開)
 「有効視野」と聞きますと、私は、眼球運動異常とアルツハイマー病との関係を研究した報告(http://lib.nagaokaut.ac.jp/kiyou/data/study/k24/K24_8.pdf)を思い出します。
 特定のターゲットの探索に関与しているのは、前頭眼野という部位です(ダーリア・W・ザイデル:芸術的才能と脳の不思議─神経心理学からの考察 河内十郎監訳,河内薫訳 医学書院, 2010, p189)。
 若年性認知症を患ったクリスティーンさんは、視野の制限について以下のように語っています。
 「競馬馬の目隠しをつけてトンネルをのぞいているような感じだ。周辺視野は狭くなり、まわりではっきりとした動きがあると、私はすぐにビクッと驚いてしまい、それまでの行動をじゃまされてしまう。まるでウインカーが点滅し続けているみたいだ。」(クリスティーン・ブライデン:私は私になっていく─痴呆とダンスを 馬籠久美子・桧垣陽子訳, クリエイツかもがわ, 2004, p132)
 また、クリスティーンさんは、車を運転することの難しさについても言及しております(一部改変)。
 「あなたに認知症があって、まだ車の運転をしているならば、いつまでそんなふうに人に頼らずにやっていけるのかと考えるだろう。ちょっと車が接触しただけでも、みんなから認知症のせいにされないだろうかと心配になる。車の運転をあきらめることは、認知症の人とその家族にとって、深い心の傷になる。現在、私は緊急時だけ運転することにしているが、我が家のある静かな田舎でも、家から二つ三つ通りを行くだけで私はとても不安になる。不測の事態に対して絶対に素早く反応できないと思うし、目先の道路に焦点を定めて集中するのはとても難しい。さらには、すべてのペダル、レバー、文字盤、ライトを覚えて、それらがどう動くのか、何のためのものか、そして自分が次にすべきことは何なのか、覚えておかなくてはならないのは大変なことなのだ。」(クリスティーン・ブライデン:私は私になっていく─痴呆とダンスを 馬籠久美子・桧垣陽子訳, クリエイツかもがわ, 2004, pp133-134)
 では、有効視野が低下してくるとどのような交通事故を起こしやすくなってくるのでしょうか。
 「通常、我々は運転中、視線を向けて網膜の中心で事物を捉える中心視とその周辺の情報にも注意を配る周辺視との両者を同時並行している。有効視野(Useful Field of View;UFOV)検査では、中心視と同時に意識でき、すばやい課題反応に活かされる周辺視野の範囲(有効視野)を評価する。Clayらによるメタ分析では、UFOV検査と否定的な運転行動の生起との関連が十分な効果量をもって(Cohen's d=0.95)示されている。高齢者では若齢者に比べて、放射方向へ周辺距離が増すにつれてUFOV課題の成績が低下する有効視野の狭隘が生じる。こうした有効視野の狭隘を本質とした視空的注意の障害は、交差点で出会い頭に衝突する事故が多いとされる高齢運転者一般の危険運転をよく説明するものであり、エビデンスも蓄積されている。」(河野直子:認知機能低下と運転適性:一般及び軽度認知障害の高齢運転者を対象とした研究動向. Dementia Japan Vol.27 191-198 2013)

メモ:Cohen's d
 2グループの平均値の差を比較するt検定という手法があります。この手法では、効果量(Effect Size)として、dという指標を使います。dが0.2より大きいとき効果量は小さい(small)と言い、dが0.5より大きいとき効果量は中くらい(medium)と言い、dが0.8より大きいとき効果量は大きい(large)と言います(http://www.mizumot.com/method/mizumoto-takeuchi.pdf)。

笠間 睦:メマンチンによるアルツハイマー病の中核症状に対する効果判定の試み─MoCA-Jを用いて─. Geriatric Medicine Vol.51 723-727 2013 [アルツハイマー病]

認知症の語り.jpg
語り 040

─最初に「どうも自分は人の名前を忘れたりして変だな」って思ってから、今日まで、忘れやすさに何か変化はありますか?

 「だんだん忘れるようになったな」とは思うてたんですけども、メマリーっちゅう薬を飲まんようになったら、急に、忘れることが多くなった。検査の
結果、やめたほうがいいんじゃないかっちゅうことで、もうお薬を出してもらえやんようになったんです。

─お薬を出してもらえなくなったことについて、どう思いましたか?

 そのときはそんなにもの忘れがひどくなるとは思いませんだもんで、あれですけど……。考えてみたら、あのお薬が今まで効いとったんかなと思う。

─そのお薬をやめて、「もの忘れが前よりもひどくなったな」って思うのは、お薬を飲んでいるときは「調子がよくなったな。前よりも忘れなくなったな」っていう感覚はあったんですね。

 薬を飲んどると、それ〔もの忘れの進み方〕が遅なるちゅうか……。よくなったとは感じません。治る薬じゃないもんで。そでけんども、薬がなくなってから気がつきました、今まではあの薬のおかげやったなって。それ飲んでなかったら、もっとずっとその先がひどくなってたかもわかりませんわね。
                    本人12(プロフィール:p.613)
 【認知症の語り─本人と家族による200のエピソード. 健康と病いの語りディペックス・ジャパン, 東京, 2016, pp111-112】

私の感想
 メマンチン(メマリー[レジスタードトレードマーク])って「記憶」が良くなる薬じゃないんですよね。
 メマンチンの中核症状に対する効果をsevere impairment battery(SIB)で評価(国内第Ⅲ相試験-IE3501)したところ、4つの領域(言語,注意,実行,視空間能力)で有意な改善を認めております。
 要するに、注意機能が向上し記憶が良くなったように感じるのです。

 詳細は、私の論文(『老年医学』2013)に記載されておりますのでご参照下さい。

笠間 睦:メマンチンによるアルツハイマー病の中核症状に対する効果判定の試み─MoCA-Jを用いて─. Geriatric Medicine Vol.51 723-727 2013


はじめに
 認知症における最大のリスクは「加齢」とされており,超高齢社会の到来とともに,認知症,特にアルツハイマー病は「ありふれた疾患」の1つになってきている.このような時代を背景として,対症治療ではあるが4種類のアルツハイマー型認知症治療薬が汎用されるようになった.そのため,認知症専門医だけでなくかかりつけ医が認知症診療に積極的に関わっていくことが求められている.
 しかしながら,奈良市においてかかりつけ医300人を対象として実施されたアンケート調査で,認知症治療の問題点として,実にかかりつけ医の52.8%が「薬の効果がはっきりしない」と回答している1).その理由は明らかでないが,プラセボ効果2)・ノセボ効果3)の影響,効果判定方法の相違なども一因と考えられる.実際に,個々の症例で認知症の程度や内容,進行速度は異なっており,治療開始前からの効果判定ポイントが明確でなかったりすることも一因となろう.
 そこで筆者は,かかりつけ医がその効果を実感できるような指標の導入が必要と考え,日常臨床の現場でも実施可能な評価方法として,改訂長谷川式認知症スクリーニングテスト(HDS-R)とともに日本語版モントリオール認知評価検査(Montreal Cognitive Assessment:MoCA-J)を用いてアルツハイマー病患者における中核症状の評価を試みた.MoCA-Jは,多領域の認知機能(注意機能,集中力,実行機能,記憶,言語,視空間認知,概念的思考,計算,見当識)について,約10分という短い時間で評価することが可能である4).
 なお,今回用いた治療薬はメマンチンであり,その中核症状に対する効果としては,severe impairment battery(SIB)で領域別認知機能を評価(国内第Ⅲ相試験-IE3501)したところ,4つの領域(言語,注意,実行,視空間能力)で有意な改善が認められている5).しかし,SIBによる評価を多忙な日常診療の現場で定期的に実施することは困難であり,メマンチンによる中核症状の改善を客観的に捉えにくい要因の1つとなっている.
 以上の理由から,MoCA-Jを用いてアルツハイマー病の中核症状に対するメマンチンの効果判定を試みた.

対象と方法
 対象は2013年1~2月に榊原白鳳病院物忘れ外来を受診してアルツハイマー病と診断され,メマンチン投与を開始した連続5症例(年齢:50歳代1例,70歳代4例,性別:男1例,女4例)である.なお,アルツハイマー病の診断はDSM-Ⅳに基づいて行った.これらの臨床像(教育歴,既往歴,治療歴,合併症,併用薬,現病歴,生活歴,ADL,認知症の行動・心理症状[behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD]の有無・程度など)を医療面接で聴取後,本研究について説明し,同意を得て,メマンチンを所定の用量,用法で投与した.メマンチン投与前および投与後4週目(ChEIとの併用例においては8週目)に日本語版MoCA-Jを実施し,中核症状に対するメマンチンの効果を評価した.なお,メマンチンの維持量に関しては,副作用がみられない限り20mgまで増量した.

結果
1.対象の臨床像
 今回の5例は,全例ともにChEI(ドネペジル,ガランタミン,リバスチグミン)による治療を受けていた.しかし,その治療効果を実感できず筆者の物忘れ外来を受診した経緯である.
 ChEIによる治療期間は,8~31カ月(平均20カ月)であった.
 5例全例において,記銘記憶障害が認められている.
 なお,5例のクレアチニンクリアランス推定値(Cockcroft-Gault計算式による)は,42mL/min,74mL/min,71mL/min,91mL/min,59mL/minであり,30mL/min以下の症例はなく腎機能は全例において正常である.
 事例1から5のプロフィールを以下に簡単に紹介する.
【事例1 79歳女性 教育歴:9年】
 夫と2人暮らし.娘2人が近隣に住んでおり,通院の際には付き添いとして来院している.
 70歳まで経理の仕事に従事(最後の15年間は取締役を務めた).
 X-3年,道順障害が出現してきた.X-2年になると手の込んだ料理が困難となってきた.
 X年,もの忘れが目立つようになり,易刺激性および夫に対する暴言も出現してきたため当院を初診.道順障害のため,1人で外出すると目的地にたどり着けないことが目立つ状況である.また,居住区内にある公共のコピー機の使い方が分からず,カッとなって叩いて壊してしまい,居住区で問題となったことがある.夫が運転する車に同乗して買い物に行き,料理は本人が作ってはいるものの,連日のように煮物料理ばかりが続く状況である.
 ガランタミンにて8カ月治療したものの期待した効果が認められず,メマンチンを併用開始とした.
【事例2 59歳女性 教育歴:12年】
 若年発症のアルツハイマー型認知症である.夫と2人暮らし.子供2人は社会人となって家を出ている.同一敷地内に義父母が住んでいる.
 X-3年,仕事の間違いが多くなり退職勧奨され郵便局を辞めている.X-2年になると料理をほとんどしなくなり,同一敷地内に住む義母が煮物などを作り持参する状況となった.精査目的にて神経内科を受診したところ,初診日に意に反して病名告知を受け,医師との相性が合わなかったことから,それ以降は近くのかかりつけ医にてドネペジル5mg(ジェネリック)を処方されてきた.
 知人の勧めにより,X年に当院を初診.夫から聴取した話によると,最近は火の消し忘れが多くなり,不慣れな場所に出掛けると家に帰れない状況である.また,視空間機能障害のためか車庫入れの際にしばしばガレージに接触するようになり,車の運転は控えるようになっている.
 目立ったBPSDは認められておらず,現状においては介護保険は申請していない.
【事例3 76歳女性 教育歴:12年】
 夫と2人暮らし.X-1年11月,孫を連れて息子夫婦と家族旅行をした際に,前日にした話と全く同じ話をまるで初めてのように話していることに息子が気づいた.X-1年12月,親戚から預かった孫へのプレゼントを持参する約束を忘れていたため本人に確認すると,プレゼントは預かっていないと言い張ることがあった.また前日と同じメニューの料理が出てくるようにもなり,息子がメール医療相談を通して筆者に相談を寄せて,X年1月に当院を初診.ドネペジル5mgにて1年間治療を続けたものの期待した効果が認められず,易刺激性も認められるためメマンチンの併用を開始した.
【事例4 75歳男性 教育歴:12年】
 妻と2人暮らし.
 高校卒業後,航空自衛隊に入隊した.自衛隊においては教官も務め,55歳にて定年退職.その後,民間の会社に5年間勤め,60歳にて退職している.
 X-2年に,かかりつけ医にてアルツハイマー型認知症と診断を受け,ドネペジル5mg(ジェネリック)を処方されている.
 記銘記憶障害が徐々に進行しており,精査目的にてX年10月に当院を初診.前医の診断は正しいことを告げ,アルツハイマー型認知症の自然経過について説明し,ドネペジル5mgの服薬を続けて経過をみるように勧めた.
 X+1年1月になると,入浴したことを忘れて風呂に入っていないと言ったり,食事をしたことを忘れて食べていないと言うことがしばしば出現してきた.また,毎日訪問していた息子や娘の家がどこか分からないといった状況も出現し,アパシーも目立つため再診となった.HDS-Rが初診時よりも4点悪化しており,易刺激性も認められるためメマンチンを併用開始するとともに,介護保険の申請も勧めた(要介護1と認定された).
【事例5 79歳女性 教育歴:12年】
 夫が亡くなってから独居生活であり子供はいない.70歳まで種々のパート勤務をこなしていた.近くに住む妹が車を運転し買い物に連れ出してくれており,また,1日置きに宅配の弁当を頼んで何とか1人暮らしを続けている.
 X-1年頃より,物忘れと喚語困難(語想起障害)が目立つようになってきた.X年に,精査目的にて当院を初診.アルツハイマー型認知症と診断し,ドネペジル5mgによる治療を開始した.
 X+3年,リバーミード行動記憶検査(RBMT)の標準プロフィール点(24点満点)・スクリーニング点(12点満点)が両者ともに0点になり,作業療法士からはドネペジルの服薬忘れが目立っているとの情報が入り,メマンチンの併用を開始した.
 本例においては,BPSDは目立たないものの,数分おきに同じ質問を繰り返すため,近所に住む兄弟にとっては介護負担を感じる大きな要因となっている.介護保険も申請しており,要支援1と認定されている.

2.メマンチン投与後の経過
 メマンチンの維持量に関しては,副作用がない限り20mgまで増量することを基本としているが,事例1においては15mgの段階にてめまい感を訴えたため,維持量を10mgとして検討した.5例中3例(事例1,3,4)では,BPSD(易刺激性・情緒不安定)のために家族が介護面で苦慮していたが,メマンチン投与により2例(事例1,3)においてBPSDの軽減・消失を認めた.
 今回の5例においては,メマンチン投与により臨床症状として言語障害,視空間機能障害,実行機能障害などの中核症状が改善したケースはなかった.

3.メマンチン投与前後のMoCA-Jの推移
 メマンチン投与前後のMoCA-Jの推移を表1に示す.下位項目の点数変化に着目してみると,事例1・3・4においては視空間機能の改善が認められた.事例2・3においては言語機能の改善が認められており,事例3ではMoCA-Jが4点改善していた.また,事例4においては,注意機能の改善が認められている.
 言語機能の語想起課題(11個以上で得点)の素点の変化に注目すると,事例1(11点→13点),事例2(6点→11点),事例3(8点→15点),事例4(14点→16点),事例5(4点→6点)といずれも点数は向上しており,臨床的な症状の改善としては捉えられないものの機能的には向上していることが示唆された.
 一方で,視空間機能の点数が低下しているケース(事例5)も1例認められた.

考察
 対象症例が極めて少ないがMoCA-Jを用いてアルツハイマー病の中核症状に対するメマンチンの効果判定を試みたところ,HDS-Rでは明らかでなかった効果がMoCA-Jで明らかにされた.その理由は効果判定基準による可能性もある.すなわち,長谷川によれば,HDS-R1~2点の小変化は施行時の状況差によっても発生するという.しかし,4~5点の差があれば,まず臨床的にも明らかな改善ないし悪化の所見に関連すると考えられることが報告されており6),本研究でもHDS-R4点以上を「改善」と判定しているからである.
 ちなみに,筆者による2011年6月~2012年4月までにメマンチンを投与した連続23例の検討では,HDS-Rが4点以上改善したケースは4例(4/23:17.4%)あった.臨床症状として中核症状の改善が認められた4例のうち,HDS-Rが4点以上改善していたケースは1例のみであり,HDS-Rの改善と中核症状の改善との間には乖離が認められた7).記憶や見当識の評価項目が重視されているHDS-R,mini-mental state examination(MMSE)などの簡易認知機能検査では,メマンチンによる中核症状の改善を的確にとらえることは困難であるのかもしれない.
 なお前述の23例の検討において,HDS-Rが4点以上改善した4例,臨床症状として中核症状の改善が認められた4例はいずれも,メマンチンの維持量が20mg/日であった.23例の中には,BPSDが改善した時点でメマンチンの漸増を中止した事例が6例,有害事象(傾眠および便秘)出現のため15mgから10mgに減量して維持した事例が1例,症状不変により家族の希望で中止した事例が1例含まれており,20mgまで増量した15例を対象として評価すると,中核症状の改善率(HDS-R≧4の改善)は26.7%(4/15)であった.なお,今回の5例の検討においては,HDS-Rが4点以上改善した事例はなかった.
 一方,本研究のMoCA-Jによる評価では,視空間機能および言語機能がともに2点改善したことにより,点数が20点から24点へと4点改善した事例もあった.MoCAは,軽度アルツハイマー型認知症のスクリーニング検査として感度が高く,MoCA25点をカットオフ値とした場合の感度は100%と報告されている8).今回対象となった5症例においては,メマンチン投与前のMoCA-Jは全例20点以下であり,カットオフ値を5点以上下回る例が対象となっている.
 以上より,MoCA-Jはかかりつけ医がアルツハイマー病の中核症状(特に言語,注意,実行,視空間能力)を評価し,メマンチンの投与前後で比較すれば,その効果を実感できる可能性があることが示唆された.
 一般に,メマンチンの作用機序は,N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体拮抗作用により,神経細胞内への過剰なCaイオンの流入抑制による神経細胞保護効果と,シナプティックノイズの抑制による記憶・学習機能障害抑制作用である.国内第Ⅲ相試験(IE3501)におけるSIBのスコア変化量でも,投与4週後以降,メマンチンはプラセボ群に対して有意に進行を抑制していた5).また,メマンチンとドネペジルとを併用した場合には,投与4~8週後に効果が発現するとも報告されている9).
 メマンチンはまた,NMDA受容体に対する非競合的拮抗作用によって,認知機能を損なうことなくBPSDに効果を示す10).特に,興奮・攻撃性,妄想,易刺激性・情緒不安定において有効性が高く,また,試験開始時には上記の症状を認めなかった患者群においても,メマンチン投与により後の症状発現率が有意に低下したことが報告されている11).
 当院物忘れ外来においては,介護者ケアといった視点を重視して種々の取り組みを実施してきた12).介護者の話をじっくり傾聴していると,介護負担における最大の要因は,中核症状のもの忘れではなくBPSDであることを痛感する.認知症患者の介護者においては28~55%が抑うつ状態にあるとされ,その負担度を死亡リスクでみると,がん患者の介護者と比べてもなお高いことが報告されている13).
 今後爆発的な増加が予想される認知症患者をできるかぎり地域でみていくためには,BPSDに対する対応強化が喫緊の課題である.この点で非定型抗精神病薬が認知症診療の現場において従来よく用いられてきた.しかしながら,非定型抗精神病薬の使用により死亡率が1.6~1.7倍高くなるとして,2005年にFDAが警告を発している.FDAは2008年には,認知症関連の高齢患者に対する定型・非定型抗精神病薬の使用は,ともに死亡リスク上昇と関連することを通知しており,米国においてはアルツハイマー病に対して禁忌となっている14).このような背景もあって,メマンチンによるBPSD改善への期待は高くなっているのが現状である.

結論
 メマンチンによるBPSDの改善効果は肌で感じているものの,中核症状に対する効果を実感している臨床医はまだまだ少ないのが現状である.
 MoCA-Jを日常診療において活用することにより,中核症状に対するメマンチンの効果をかかりつけ医が実感できる可能性が示唆された.今後さらに症例数を増やし,より詳細な検討を行いたいと考えている.

参考文献
1)本間 昭:認知症の人のために専門医ができること. 老年精医誌 2013;24(Suppl 1):133-138.
2)本間 昭:認知症患者にプラセボ効果が認められる理由. 日本医事新報 2011;No4573:56-57.
3)笠間 睦:臨床医からみたジェネリック医薬品─認知症治療. Prog Med 2013;33:1089-1092.
4)鈴木宏幸, 藤原佳典:Montreal Cognitive Assessment(MoCA)の日本語版作成とその有効性について. 老年精医誌 2010;21:198-202.
5)第一三共株式会社:医薬品インタビューフォーム メマリー錠[レジスタードトレードマーク]5mg, メマリー錠[レジスタードトレードマーク]10mg, メマリー錠[レジスタードトレードマーク]20mg(http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/430574_1190018F1023_1_me5_1F.pdf
6)長谷川和夫:痴呆の重症度と長谷川式スケール得点. 日本医事新報 1997;No3817:114.
7)笠間 睦:認知症診療におけるメマンチンの位置づけ─自験23例の検討結果─. Prog Med 2013;33:311-315.
8)Nasreddine ZS et al:The Montreal Cognitive Assessment, MoCA: a brief screening tool for mild cognitive impairment. J Am Geriatr Soc 2005;53:695-699.
9)Tariot PN et al:Memantine treatment in patients with moderate to severe Alzheimer disease already receiving donepezil: a randomized controlled trial. JAMA 2004;291:317-324.
10)藤本健一:メマンチン. 日本臨牀 2011;69(Suppl 10):41-46.
11)Gauthier S et al:Effects of memantine on behavioural symptoms in Alzheimer's disease patients: an analysis of the Neuropsychiatric Inventory (NPI) data of two randomised, controlled studies. Int J Geriatr Psychiatry 2005;20:459-464.
12)笠間 睦:認知症介護者に対する終末期の意向調査. 日本医事新報 2011;No4566:26-29.
13)Christakis NA, Allison PD:Mortality after the hospitalization of a spouse. N Engl J Med 2006;354:719-730.
14)遠藤英俊:認知症の薬物療法の実際とその効果. 日医雑誌 2012;141:555-559.

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